ソフトバンク小久保裕紀新監督(52)が8日、工藤公康元監督(60)から金言を授かった。福岡・筑後市のファーム施設で実施中の投手組秋季キャンプに訪れた工藤氏と約1時間半の立ち話。監督時代に3度のリーグ優勝と5度の日本一を果たした名将から、果敢に打者のインコースに投げられる投手育成の指南を受けた。小久保監督は9日のキャンプ休日をはさみ、10日から再び野手組の宮崎秋季キャンプに戻る。

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報道陣の取材に応じた小久保監督は疲れながらも充実した表情だった。「しゃべりすぎて声でん」。正午前、筑後の室内練習場で工藤氏と約1時間半の立ち話。「インサイドをつけないピッチャーって何が原因になるんですか? どんな練習方法がありますか? みたいな話」。21年シーズンは1軍監督とヘッドコーチの間柄。かつて現場のツートップを担った2人が、長時間の野球談議に花を咲かせた。

2軍監督を2年間務めた中で「インサイドさえ投げきれれば十分通用するのに」と思った選手が、今オフ戦力外通告を受けた育成の重田だった。同じく構想外で、昨年の現役ドラフトで加入した古川も同様だったという。「だからそれってどういう練習をしたら(インコースに)突っ込めるピッチャーができますかね、みたいな」。金言の内容こそ明かさなかったが、メンタル面ではなく「技術ですよね」と断言。「ちょっと(練習を)取り入れてみようかなと。僕がやれって言うんじゃなくて倉野(1軍投手)コーチと話して」。ソフトバンク監督時代に3度のリーグ優勝と5度の日本一を果たした名将との会話で新たな発見があった。

現役時代は強打の右打者だった小久保監督も相手投手から警戒され、執拗(しつよう)な内角攻めを受けてきた。実体験があるからこそ「外(のコース)だけで抑えるのは無理。僕らの時は普通にインサイドに来てましたからね」と言える。「自分の大好きな野球を続けるためにも、外だけできつくなってきた時は思い切ってインサイドを攻められるものがあっていいと思う」。

筑後の投手組を見た今クール。6日夜は倉野コーチらとの会食で、ワールドシリーズを制した米レンジャーズの勝因についての情報を得た。この日は工藤氏から技術論を吸収。実りの筑後を過ごし、10日から再び野手組の宮崎キャンプに向かう。【只松憲】

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