西武から戦力外通告を受けた張奕投手(29=ちょう・やく)が12球団合同トライアウト(15日、鎌ケ谷)を受験することが11日、分かった。

張はFA移籍した森友哉捕手(28)の人的補償選手として、昨オフにオリックスから移籍した。ただ右肩の痛みに悩まされ、内定していたWBC台湾代表を辞退。シーズンも1軍では5試合の登板のみで終わり、10月4日に戦力外通告を受けていた。

シーズン終盤からブルペン投球を再開し、最速で150キロ台中盤を誇る直球も「この前は147キロまで出ました」という段階まで回復している。今季は4月23日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で古巣と対決。強打者の杉本から空振り三振を奪うなど、相手の中軸を3者凡退にさせた実績もある。

移籍1年目のオフの退団には「悔しさもあります」とするものの「もう過去のことで変えられないし、変えるとしたら自分自身なので」と前向きに12球団合同トライアウトへ準備を進める。5月17日のイースタン・リーグのヤクルト戦(カーミニークフィールド)を最後に実戦登板はなく、トライアウトは約半年ぶりの対打者になる。

台湾出身ながら、日本の高校(福岡第一)に在学したことでNPBでは「外国人選手」の枠組みに入らず、日本人選手と同じ立場でプレーしてきた。「台湾に戻るのはまだ早いと思っています。育成契約でもいいので」とNPBでのプレー継続を熱望している。【金子真仁】

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