阪神高橋遥人投手(28)が17日、兵庫・西宮市の球団事務所で契約交渉に臨み、来季は育成契約で合意した。年俸は減額制限上限ギリギリとなる600万円減の1850万円。背番号は「29」から「129」と変更になった。かつては先発ローテーションの柱として期待された左腕が、来季の復活を力強く宣言した。

「いろんな人に助けてもらい、投げないと応援してくれた人も報われない。このまま終わるとダサい。ダサいまま終われないので、がんばりたい」

度重なる故障に苦しみ、育成契約となったが、表情に暗さはなかった。昨年4月に左肘のトミー・ジョン手術、今年6月には「左尺骨短縮術」と「左肩関節鏡視下クリーニング術」を受け、リハビリ中。2年連続で1軍登板はなく「球団も今年投げられると思って、支配下にしてもらったが、投げられなかったのは申し訳なかった。枠を使うことで埋まってしまう。来年は育成だが、しっかり投げて、支配下に戻れたら」と3桁の背番号も受け止めた。

リハビリは順調で、すでに捕手を立たせたまま投球練習を再開。今月中には本格的な投球練習を行う予定だ。「明らかに前より良くなっている。感触は良くなっているので、順調かなと思う」。来年の春季キャンプでは打者に対して投球することを思い描く。プロ1年目の18年4月11日の広島戦で、プロ初登板初先発で初勝利。キレ味鋭い投球で虎党を沸かせた左腕が目指すのは来季の完全復活だ。「1軍のマウンドで投げること」。まずは支配下選手登録の目標を果たし、充実の先発陣に加わる。(金額は推定)【田口真一郎】

◆高橋のここまで 新人の18年は1軍デビュー戦の4月11日広島戦(甲子園)で7回無失点の快投でプロ初勝利。だが、左肩の不調で6月中旬から2軍調整のままシーズン終了。19年には19試合に登板して3勝9敗。20年は左肩の不調で出遅れたが、後半戦の8月に1軍戦に復帰し5勝を挙げた。21年は2月に右脇腹の筋挫傷で離脱。9月から1軍に復帰して4勝と終盤戦でフル回転。22年の4月には左肘のトミー・ジョン手術を受け、その後実戦復帰に至らず。23年の6月には「左尺骨短縮術」及び「左肩関節鏡視下クリーニング術」を受け、2年連続で実戦での登板はなかった。

◆高橋遥人(たかはし・はると)1995年(平7)11月7日生まれ、静岡県出身。常葉学園橘2年夏に甲子園出場。亜大では1年秋からリーグ戦に登板し、3年春に全日本大学選手権出場。17年ドラフト2位で阪神入団。18年4月11日広島戦でプロ初登板初勝利。181センチ、80キロ。左投げ左打ち。

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