同期の左腕2投手がブルペンを独占した。宮崎・日南の秋季キャンプで、21年ドラフト1位の黒原拓未投手(23)と同2位の森翔平投手(25)が新井監督が見つめる中、熱のこもった投球を見せた。黒原が139球を投げると、森も132球。ともに今キャンプ最後のブルペン入りで最多の投げ込みに、新井監督は「2人の球の強さ、ひとつひとつの精度は2人は違うところにいるのかなと感じる」と若手中心の今キャンプでは抜き出た存在と認め、両左腕の来春1軍キャンプ参加を明言した。

1年目の昨季にプロ初勝利を挙げた森は今季、先発10試合で4勝2敗、防御率4・53を残した。今キャンプでは、投球の幅を広げるためカーブやスライダーの精度向上に取り組んできた。「体に覚えさせるという意味も含めて、投げ込みをしようと。後半のほうは真っすぐの力も弱くならなかったですし、スライダーの軌道はちょっと良くなかったんですけど、それも修正できたので、課題としているところを詰められたかなと思う」。納得のいく形で秋季キャンプを締めくくった。

黒原も今キャンプ最多の球数を投げ終え「しっかり球数を投げて、バランスとか力の入れ具合とか、今日得たものがあった。そういうのを引き続き自主トレ期間で固められるようにいっぱい投げたい」と充実した表情で汗を拭った。

今季広島の先発左腕は11勝の床田を筆頭に森、玉村、黒原の4投手しかいなかった。ドラフトでは大商大・高太一投手(22)、星槎道都大・滝田一希投手(21)を指名も、新井監督は「どんどん力をつけて投手陣を、先輩を脅かす存在になってほしい」と両左腕の飛躍を期待する。

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