日本ハム田宮裕涼捕手(23)が22日、北海道北広島市内の球団事務所で契約交渉に臨み、130万円アップの700万円(金額は推定)でサインした。

今季は9月22日の楽天戦で1軍初昇格すると、同25日楽天戦で田中将からプロ初本塁打を放つなどアピール。打力と武器の強肩を生かし、来季は、開幕スタメンマスクを狙う。

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リーグ終盤に見せた勝負強さを、来季はスタートから披露していく。契約交渉を終え田宮は「今シーズンはとても苦しいシーズンではあったんですけど、本当に1軍で試合に出るためにと思ってずっとやってきた。最後に結果を出せて良かった。来季は、まずは捕手として開幕スタメンを目指したい」と意気込んだ。

最終コーナーで驚くような“猛スパート”を見せた。9月22日の1軍昇格後、同25日楽天戦でプロ初本塁打、同28日ロッテ戦で初の決勝打と、立て続けにアピールし、増額提示を勝ち取った。「バッティングは入団当初に比べたら変わっている。バットをしっかり扱えるようになってきているので、しっかりスイングができて、強い打球を打てるようになってきた」。地道な取り組みが10試合9打点の高い決定力につながった。

自慢の強肩「ゆあビーム」も、着実に進化している。10月のフェニックスリーグではセ・リーグ盗塁王の阪神近本や、同2位の中野の二盗を阻止するなど、6連続盗塁刺。「盗塁も来年は本当は全部刺したいんですけど、ピッチャーとの兼ね合いもあるので、最低3割は刺したい」。盗塁阻止100%という最高のイメージを描きながら、守備面も磨きをかける。

このオフは1人黙々と鎌ケ谷で自主トレをする。「とりあえずもう1年、鎌ケ谷でしっかりやって。今年もキャンプはすごい良かったんで」。5年目の今季で退寮するが「これから部屋を片付けないと」。部屋も気持ちも整理して、ジャンプアップの24年にする。【永野高輔】