西武若林楽人外野手(25)が2度の左膝手術を乗り越え、悲願のレギュラー獲得を目指す。23日、埼玉・所沢の球団施設で契約更改に臨み、現状維持の1220万円でサインした。

ルーキーイヤーの21年は開幕1軍スタート。主に1番打者として44試合で20盗塁を記録し、自慢の俊足で存在感を示した。だが5月30日、阪神戦の守備で左膝を負傷。左膝前十字靱帯(じんたい)断裂と診断され、再建手術を行った。その影響で昨季は出場なし。3年目の今季は36試合に出場し、5月7日オリックス戦では決勝打を含む4打点を挙げるなど、打率2割4分4厘の成績だった。6月14日に出場選手登録を抹消されると、それ以降の1軍登録はなし。10月25日には、手術で使用した金具を外す手術も受けた(全治3週間見込み)。2度目となった左膝手術の経緯を「痛みがあったり、リカバリーが追いつかなかった。自分でチェックしたいということを言わせて頂いて、それでボルトが原因かもしれないっていう話になった。ボルトももう必要なかったので」と説明した。

契約更改を終え「球団の方から、また1年目のあの衝撃を期待していると言われた。自分でも歯がゆいところはある」と悔しさをにじませた。松井監督は来季外野手のレギュラー3枠の白紙を明言しており、若林は「毎年狙ってはいるんですけど、それ以前の問題になってしまっている。万全の状態で、譲らない気持ちでやりたい」と力を込めた。渡辺久信GM(58)も「とにかく1年間戦えるコンディションを作ってくれと。(試合に)出さえすれば、それなりに結果も付いてくるし、相手も嫌だよね」と期待を込める。

このオフは体作りに力を注ぐ。左膝の状態については「普通に動けるぐらいには戻ってきた」と話し、「体を強くしないと戦えない。膝をもっと良くするために、専門家の下でトレーニングする」と今オフの予定を明かした。

4年目を迎える来季に全てをぶつける覚悟だ。「(膝の状態に)びびりながら野球をやってしまったので、来年はもう壊れても良いくらいの気持ちで準備して。それぐらいの気持ちで野球をやりたい。1年間試合に出続けたい」と決意を語った。来春のスタートダッシュに向け、自分と向き合う。(金額は推定)【黒須亮】

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