西武岡田雅利捕手(34)が1日、契約更改交渉に臨んだ。年俸変動制の複数年契約。大幅なマイナス査定でサインした。

「本当に何もできてない状態ですし、契約してもらえるだけありがたいというのが本音ですね」

左膝の大手術をし、今季は1、2、3軍とも試合出場がゼロ。来春の実戦復帰を目指し、リハビリを進めている段階にある。

シーズン中はテレビやネット動画でいつも1、2軍の試合を見ていた。

では、あのシーンをどう感じたか。9月13日、ソフトバンク戦(ベルーナドーム)に大量失点で敗れ、古賀悠斗捕手(24)が涙した。同18日のロッテ戦(同)では暴投を止められず決勝点を許した古市尊捕手(21)がベンチで泣いた。

岡田は画面上で2つのシーンを見ていた。

「グラウンドでそういう姿を捕手が見せたらダメなのかなって自分でも思ってたんですけど。やっぱり、それくらい背負ってるものがあるんだなとは思ってます」

正捕手不在の開幕、そしてシーズン。目に見えない重圧と戦っていた後輩たちをおもんぱかった。

2人の努力は「今年1年、本当に成長できたと思います」と認めている。古賀がアジアチャンピオンシップで、岡田の代名詞の1つでもある送りバントを決めたことには「居場所がなくなったな、って思うんですけど」と笑い飛ばす。

一方で、やっぱり涙は。

「投手がいるのに捕手がそういうところを見せていいのか、ってなってしまう部分もあるので」

冷静でもある。そして、その場に自分がいられないことが悔しい。

「自分が『そこじゃないぞ』と言ってあげるのが大事なことだと思いますし。涙を見て、その場にいてあげられなくて申し訳ないなと思いました」

先輩の炭谷銀仁朗捕手(36)も戻ってくる。「ベテラン2人、上(1軍)で頑張ってると言われるのがベストかなと思います」。銀に染めていた髪も落ち着かせ、もう残り4カ月を切った来季開幕に照準を合わせた。【金子真仁】

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