日本プロ野球選手会と日本野球機構(NPB)の事務折衝が22日、都内のNPB事務局で行われた。選手の肖像権やWBC出場選手への保障について、意見交換が行われた。

選手会は、WBC出場選手が契約更改の際に不利益に扱われないよう求めてきた。WBC出場によるシーズンへの影響が懸念されるためだ。

各球団で契約更改が進むが、森忠仁事務局長は「かなり、しつこく言っているので。個別にも言ったりはしてるんで、考慮はしてくれてるなと」と各球団の対応を評価した。前日21日に更改した阪神湯浅は15試合、0勝2敗8セーブ、防御率4・40だったが、現状維持の年俸4700万円(推定)だった。

WBC開催年は開幕を遅らせることも求めている。今春は大会終了から1週間でシーズン開幕だったが、森事務局長は「もう1週間ぐらい」と、2週間後の開幕を提示。「各球団がベストの状態で開幕するのが、チームにとっても、ファンにとっても、見せるべきところなのかなと思います。(開幕が)遅れると、あとが詰まったりとか、いろいろ出てくるので、どこがいいか模索しながらってところ。(開幕を遅らせると)よく出てない選手は間が空いちゃうけど、それはスタートの期間が決まってれば、そこに調整するわけなんで、そこは選手も問題ないと言っている」と訴えた。

今回で年内の事務折衝は終了した。今年から保留制度改革については、事務折衝とは別の検討委員会で議論を重ねた。森事務局長は「保留制度は別会議体でやりましたし、今までの中でも、僕が入ってからでも、一番年間で多く会議をやった年かなと思っている。いろんな話ができてよかったなと思います」と1年を振り返った一方で、課題も感じている。

「ただね、いかんせん、なかなか進まないなっていうところがある。もうちょっとスピード感を持ってやっていかないと。選手は1年1年勝負なんで、取り組んだはいいけど、問題解決できないまま、ユニホームを脱いでいってしまう選手がいる。ちょっとスピード感を持ってやっていきたいなっていうのが全体の印象ですね」と、来年へ向けた決意で締めた。