阪神才木浩人投手(25)が、完全試合宣言だ。23日、兵庫・たつの市で開催された「第2回西はりま少年少女野球教室」に参加後、取材に応じ「(完全試合は)いつも狙ってます」と明かした。ドジャースへ超大型契約で移籍が決まったオリックス山本由伸投手(25)とは同学年。オリックスで2度ノーヒットノーランを達成しているスーパーエースへ近づくべく、来季は大記録達成も視野にさらなるレベルアップを目指す。

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長い日本プロ野球の歴史の中で、22年のロッテ佐々木朗までわずか16人しか達成していない完全試合の偉業に、才木はチャレンジする。「だいたい、ランナーが出るまでは狙ってます。いつもそんな感じ。1回はやりたい? 1回とは言わず、出来るなら何回も。そういうピッチングができるように頑張りたい」。4月に村上が巨人戦で7回パーフェクトのまま降板したことが記録に新しいが、阪神で完全試合達成者は過去におらず、球団初の快挙となる。

同学年でドラフト同期入団のオリックス山本は、ポスティングで米大リーグ・ドジャースへ12年総額3億2500万ドル(約455億円)という超大型契約で移籍が決まった。「すごいっすよね。そういう契約を結べているし、それだけレベルが高いってこと。自分もそういうレベルになれるように」。山本はオリックスでに2度のノーヒットノーランを達成しているが、完全試合はやっていない。山本を超える記録にもなる。

この日は野球教室でキャッチボールを指導するなどで小学生たちと触れ合った。日本一達成で多忙なオフだが、休みは週に1度くらいで、ほぼ毎日練習をしている。自分のレベルアップのためにトレーニングは欠かさない。

20年の右肘内側側副靭帯(じんたい)の再建手術(トミー・ジョン手術)から3年。右肘の不安はもうない。今季は自己最多の8勝を挙げたが、その中で9回、10回を投げても球速が落ちなかったことを実感。「前だったら後半に142キロとか43とかになってたのが、今年は148、9とか150も出ていたので、やっていることは合っているのかなと」。自分の描く理想像へ近づいている手応えはある。来季の目標は開幕ローテ入りし、離脱せず1年間務めること。そこに完全試合という偉業が加われば、右腕はさらなる高みへ到達できる。【高垣誠】

◆阪神と完全試合 阪神投手の完全試合は1度もない。2リーグ分立初年度の50年3月16日国鉄戦(倉敷)で、田宮謙次郎が9回2死まで1人の走者も出さず、日本プロ野球初の快挙を目前にした。だが27人目の打者中村栄に、藤村富美男三塁手の頭を越す安打を許し、大記録を逃した。約3カ月後の6月28日、巨人の藤本英雄が西日本戦(青森)でNPB初の完全試合を達成した。今季は村上頌樹が4月12日巨人戦(東京ドーム)で7回をパーフェクトに抑えたまま降板。プロ初勝利を大記録で飾れなかった。なお、阪神は大阪タイガース時代の60年8月11日(川崎)、大洋の20歳右腕、島田源太郎に球団唯一の完全試合を許している。

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