巨人矢野謙次打撃コーチ(43)が“お悩み相談”でメンタル面のケアも担う。24日、横浜市内の母校・国学院大で日本ハム松本剛とトークイベントを開催。技術指導はもちろん「気持ちの浮き沈みもある。楽になるような話ができたり、聞いたりするだけもいい」と選手に寄り添っていく。

自身も手を差し伸べられた経験がある。20代中盤に差しかかった頃。1軍で結果を出した中で2軍行きを告げられた。感情を整理できずグラウンド裏で荒れた。1人帰ろうとした時、ズボンのポケットに1枚の紙があった。「見ているやつは見ている」。当時チームメートのソフトバンク小久保監督からの言葉。「早く立ち直れた」と回想する。

現役生活16年で規定打席到達はない。「僕もそうだった。ボーダーラインの人は結果が出なかった時、すごく揺れる。時に『どうせ落とすんだろ』と監督、コーチが敵に見えたりもする」と負の感情が先行しないようにケアする。「テレビゲーム、携帯ゲームを一緒にやったり、バカ話をしてみたりとかもして、信頼を得られるように。それが結果的に、絶対にチームの勝ちにつながる」と矢野流のコーチ道で新生ジャイアンツを強くする。【上田悠太】