来季高卒4年目を迎える日本ハム根本悠楓投手(20)が、先発ローテーション入りへ新たな変化球「スラッター」習得へ着手した。沢村賞投手・金子千尋2軍投手コーチ(40)の助言で、千葉・鎌ケ谷での自主トレで挑戦中。得意のスライダーよりも小さく速く曲がるボールを磨き、投球の幅を広げる。

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先発ローテ入りを狙う道産子左腕・根本に、金言ならぬ“金子言”が降ってきた。「もう1個、スライダーと違う変化球あったらバッター迷うよ」。11月の沖縄・国頭キャンプ中、指導を受けた金子2軍投手コーチからのアドバイスだった。「小っちゃく曲げるのが得意じゃない」という根本が、多彩な変化球を自由自在に操り沢村賞を獲得した名投手の温かい声かけに「スラッター」チャレンジを決断した。

すでに大器の片りんは見せている。スリークオーターから繰り出すスライダーが決め球。今季奪った23個の三振のうち12個が同球種で、奪三振率8・28は、加藤貴や上原、オリックスから加入する山崎福よりも高い数字をマークしている。侍ジャパン入りした11月の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」でも、2試合で自責点0と存在感を示した。

さらなる武器は、スライダーと同じ方向に小さく、速く曲がるスラッター。「右打者には真ん中からインコースくらいでファウルを打ってくれれば」とビジョンも明確。投球の幅が広がると、自慢のスライダーも威力が増す。

実戦がないオフだからこそ丁寧に根を張る。キャッチボールでは打者を立たせ、1球1球じっくり感想を聞き出す。「良い日はいいです。まだちょっと感覚が。左(打者)が難しい」。北海道・白老町生まれの道産子はまだまだ伸び盛り。春に向けて、新たな幹を育てる。【黒須亮】

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