目指すぞ能見さんの道! 阪神ドラフト5位の石黒佑弥投手(22=JR西日本)が5日、広島市のJR西日本グラウンドで本格始動。新年2日に、家族で岐阜・海津市の千代保(ちよほ)稲荷神社を訪れ「長いプロ野球人生を歩めるように見ていてください」と、長寿選手を願って手を合わせたことを明かした。

高校から大学を経ずに社会人入り。阪神では数少ない経歴だが、能見篤史氏も同じ「高卒社会人」からのプロ入りだった。自由獲得枠での入団だったが、1本立ちしたのは30歳の遅咲き。少しずつ改良を加えながら一昨年、43歳でオリックスで引退するまで第一線で活躍した。石黒もそんな元虎のエースを意識していた。「何歳までとかはないですけど、自分の限界を感じるまで1年でも多くやりたいし、いい結果を出したい。(能見くらい)やりたいです」ときっぱり言った。

入社2年目まで肩や肘の故障を繰り返した経験から、体と向き合う意識が高まった。練習に付き合ってきたJR西日本の湧川雄貴コーチは「すべて自分で計画して練習ができる。こういう選手はなかなかいません」と舌を巻くほどだ。

石黒自身は自らを「マイペースでおっとりしている」と表現。入団時の能見と同様、地に足がついている。「(メディアに)取り上げてもらえますけど、舞い上がらずに自分のやるべきことをやりたい。周りの人も気合入れてやると思うんですけど、あまりそう見せようとせず、必要なことを黙々とやれたらと思っています」と穏やかに笑った。浮かれず、あわてず。派手さはなくとも、長い長いプロ生活を目指して、マイペースで進む。【柏原誠】

◆石黒佑弥(いしぐろ・ゆうや)2001年(平13)6月20日生まれ、愛知県江南市出身。藤里小1年から藤里スポーツ少年団パワーズで野球を始め、宮田中時代は同校の野球部。星城では1年春からベンチ入り。3年夏の愛知大会2回戦でセンバツ優勝の東邦にコールド勝ちして8強入り。JR西日本では3年目の22年から台頭し、2年連続で都市対抗で先発した。180センチ、83キロ。右投げ右打ち。

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