俺も忘れるな! 花の「88年世代」の広島秋山翔吾外野手(35)が、同世代の活躍する姿に闘争心を燃やした。12日、静岡・下田市内の吉佐美(きさみ)運動公園で自主トレを公開。今年で36歳となる年男は「(23歳の)小園とひと回り違う」と苦笑いを浮かべつつ、「僕らの世代はすごく注目されている選手が多い。そこの名前から漏れないように、頑張っていきたい」と目をギラつかせた。

同学年では通算2321安打の巨人坂本や、日米通算197勝の楽天田中将、米タイガースの前田、昨季パ・リーグ最多安打のソフトバンク柳田とセ・リーグ首位打者のDeNA宮崎などがいる。昨季は故障で離脱するなど、115試合の出場で打率2割7分4厘、4本塁打、38打点にとどまった。「野手でもまだまだタイトル取っている選手もいる。なるべくそこに食い込んでいくように。忘れ去られないように頑張りたい」と力を込めた。

この日は雲1つない快晴の空のもと、午前9時から練習をスタートさせ、体幹トレーニングを実施後、キャッチボールや内野でのゴロ捕球、ティー打撃を敢行。昨年10月末の右膝手術の影響を感じさせない軽快な動きをみせた。「順調にできている。状態が上がってきている感覚がある」と一定の手応えを示しながらも、2月の春季キャンプに向けては「(初日から)100(%)でいく必要はないのかなと」と慎重を期す。

技術練習後には、グラウンド近くの海岸にある田牛(とうじ)サンドスキー場に移動し、長さ約45メートル、斜面30度の砂浜の坂道ダッシュを実施。広島の後輩宇草、中村健や、日本ハム五十畑、楽天武藤、沢野に加え、独立リーグや女子野球の選手も合わせて12人が参加した中、走り込みでも先頭に立ってけん引した。

秋山はかねて「走る姿」を後輩にみせることを重要視している。「後ろでドンと構えているのももちろんいいと思うんですけど、そうすると、若手が伸びていくのをずっと眺めているだけに感じになりそうなので。まだまだ一緒にやりながら、上回るものは見せていきたい。シーズン中もできればそうしたい」。

メジャー挑戦を経て広島に加入後今季が3年契約の最終年。「契約が切れるところが一番怖いところ。野球選手として長くやるためには結果はしっかり出さないといけない。若い時よりも先がうっすらと見えてくる年齢にもなってきているので、しっかりやりたい」と危機感をにじませた。球界屈指のヒットマンが、完全復活をかけた24年シーズンに挑む。【古財稜明】

【関連記事】広島ニュース一覧