日本ハム松本剛外野手(30)が同期入団で同学年の上沢直之投手(29)の米球界移籍決定を祝福した。14日、沖縄・伊江島での自主トレを公開。現地で充実の練習を重ねながら待っていた吉報を自分のことのように喜んだ。レイズとのマイナー契約を選んだ盟友の決断に大きな刺激を受け、今季はキャリアハイを大きく更新する165安打を目標に設定。メジャー昇格を目指す右腕に負けじと、自身2つ目の個人タイトルとなる最多安打を狙う。

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松本剛は心の底から喜んでいた。「いやぁ~よかったでしょ」。7日から始まった伊江島の自主トレ中も、ずっと上沢の動向が気になっていた。交渉期限は日本時間12日の午前7時まで。「ソワソワしてましたからね、僕も。全然ライン鳴んねえなと思って」。その日の午前中はニュースを何度もチェック。やきもきしていると、上沢から「来ましたよ」。世間より早めに、本人から吉報が届いた。

盟友は約束を守って、真っ先に報告してくれた。レ軍とマイナー契約を結んだというメッセージは松本剛、ソフトバンク近藤、ロッテ石川慎、上沢がメンバーのグループラインに送られた。「決まったら、すぐ連絡入れろよって、あの同級生のライン(グループ)で言ってたから、それまでは、こっちからは何も聞かずに」。11年ドラフトで同期入団した同学年の4人で喜びを分かち合ったという。

上沢の決断には、大きな刺激も受けた。報道でメジャー契約をあえて選ばなかったということを知った。「こいつ、すげぇなって。あ、そこを選ぶのねって。マジで尊敬する。その瞬間、僕も、すごいスイッチが入った」。向上心に火が付いた。今季の目標は「165安打」と設定。キャリアハイだった昨季の140安打を大きく更新し、目指すタイトルは「最多安打を争いたい」と燃えている。

施設も環境も抜群の伊江島での調整は順調。「今年は足の状態も結構いい」と走るフォームから見直している自主トレでも、よく走れている。2月の春季キャンプも「出るつもりでいます。もう初日からしっかり結果で示すしかない」という覚悟もある。そして、それぞれの場所で戦う盟友たちへの思いも-。「とうとう僕しか(日本ハムに)残ってない。なんかね、その寂しさはちょっと感じましたけど、でもね、みんな頑張ってるし、僕も負けないようにしたい」。熱い気持ちを持って、13年目をスタートさせた。【木下大輔】

◆日本ハム11年ドラフト高卒4人組 松本剛、石川慎、近藤、上沢の4人。同年ドラフトでプロ入りした高卒選手で現役なのは、DeNA桑原、巨人今村、ソフトバンク武田、中日高橋周と、日本ハムから指名された4人だけ。そんな奇跡の高卒4人組で最初に頭角を現したのが、1年目にプロ初安打を放った近藤。続いて3年目に上沢が8勝を挙げ、同時期に石川慎もプロ初本塁打。松本剛は4年目にプロ初安打を放った。その後、4人は所属がバラバラとなったが、オフに行われる同期会は継続。今オフも上沢が渡米する前の昨年11月下旬に都内の焼き鳥屋で開催された。

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