和田さん流! 開幕まで仕上げない! 阪神大竹耕太郎投手(28)が15日、長崎市内でソフトバンク和田毅投手(42)らと行う自主トレを公開した。

リーグ2位となる12勝を挙げた昨季からの上積みへ、ベテラン左腕の何げない会話からヒントをゲット。開幕に合わせない調整法で、1年間の長いシーズンを走り抜く。

   ◇   ◇   ◇

大竹は一言たりとも聞き逃さなかった。耳に入った何げない会話の中に、1年間を走りきる金言が隠れていた。「3月ぐらいからトレーニングを抜いてとなると、夏場に落ちるという話を(ロッテ)小島と和田さんがしてるのを、聞いてないフリしながら聞いてたんで(笑い)。ああ、なるほどと」。開幕に合わせて調整すると、どうしても夏場に下降気味になる。来季へのヒントに、こっそり耳をすませた。

テーマは仕上げないこと。「70%ぐらいで入って打たれても、まだ上げられる。気持ちの面は100%ですけど、体的にはそれくらい」。新天地で迎えた昨季は首脳陣への「第一印象」を重視し、1月から何度もブルペン入り。開幕に合わせたが、7月中旬から6回未満で降板する試合も続いた。来季は夏場にバテないように、オフに行うトレーニングの量を落とさず、シーズン中も継続する。「和田さんは交流戦が終わるまでとおっしゃってましたけど、それぐらいまでしっかり続けていくというのを」と意気込んだ。

ベテラン左腕との自主トレは学びの宝庫だ。練習に向き合う姿から、楽しむ大切さを実感。「真面目にやるのが真面目じゃなくて、こうなったらもっと良さそうだなとか、ワクワクする感じ。和田さんを見ても感じるのでまねしたい」。リーグ優勝時に連絡すると「やっとスタートライン。これを続けていくことが大事」と気が引き締まる言葉をもらった。昨季は初の2ケタとなる12勝を挙げたが、これが限界ではない。「まだ伸びしろがあるというか、和田さんにも言われますけど、あれが精いっぱいじゃないなと思う。もっともっと突き詰めて頑張りたい」。見聞きしたもの全てを、さらなる飛躍への肥やしにする。

恩返しはもちろん、勝つこと。昨季は機会がなかったが、和田と投げ合うことになれば「そりゃ最高ですよ」と想像する。「できるだけ勝って、『和田さんのおかげで』と何回も言って」。お立ち台からお世話になった先輩へ、何度も感謝の言葉を届けたい。

【関連記事】阪神ニュース一覧