泥くさく光る。ソフトバンク川瀬晃内野手(26)が20日、大分・国東(くにさき)市内で行っていた自主トレを打ち上げた。今季は遊撃一本でスタメンを勝ち取りにいく立場。近藤、柳田、山川、ウォーカーら強力打線の黒子に徹するべく「僕にホームランを求めている人なんて誰ひとりいない。求められるものは泥くささ」と目をギラつかせた。

昨季は自己最多102試合に出場。終盤は2番起用が増え、9、10月は55打数18安打、打率3割2分7厘の好成績を残した。「やりがいを感じた。理想は2番だけど、9番でもいかに次のバッターに回すかの意識でやりたい。まずは試合に出る」。自信を胸に昨年まで参加していた今宮塾から独り立ち。「とにかくセンターに強くて低い打球。遅れてもレフト前」。6日から故郷大分県で1日2~3時間ほどを打撃練習に割いた。

昨年5月、たった1つのドラッグバントを決めてお立ち台に上がった。進塁打やバスターで相手投手を揺さぶるなど、記録に表れない貢献が多かった。いぶし銀の活躍に小久保監督も「あれだけ自己犠牲を表現するプレーヤーはホークスの1軍であまりいない。非常に貴重な存在」と話していた。川瀬は一貫して「ホームランバッターがたくさんいるからこそ、僕みたいな人が打順にいなきゃいけない」とつなぎ役へのこだわりは強い。

この日は雨天により、国東市内の体育館で練習した。チームメートの海野のほか、地元の友人らが駆け付けてランニングや体幹トレーニング、バドミントンで汗を流した。「いろんな人がサポートしてくれました。球拾いとかしてくれて、何不自由なく練習できました」。約2週間の恩義は結果で返す。充実感とともに、次の自主トレ先の北九州に向かった。【只松憲】

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