日本ハム田中正義投手(29)が重さや大きさ、種類の違う4つのボールを投げ始めた。24日、春季キャンプ地の沖縄・名護で始まった先乗り自主トレに参加し、ブルペン投球を行った。

まずはNPB公式球。立った捕手に19球を投げ終えると「でか球、行きます」。通常より約30グラム重く、直径も5%大きいボールに持ち替え、真っすぐやフォークを3球投げた次は「普通の、行きます」。再び最初のボールで4球投げると今度は「軽いの、いきます」。直径はほぼ同じで通常より約30グラム軽いボールで投じた真っすぐは、かなりホップした。渡部ブルペン捕手から「浮いてきたよ」と言われた田中正は“ジャスティススマイル”で「軽いんで」と返した。

再び最初のボールに戻し、捕手に膝立ちでの捕球をリクエスト。その4球目に「次は、メジャー球」。MLB公式球を1球投げ込み、再び最初のボールに戻した。その後も「でか球」「メジャー球」を織り交ぜながら計46球を投げた。

これがオフに取り組んできた投球練習法だ。NPB公式球で投げる合間に、感触が全く違うメジャー公式球やドライブラインが開発した2つのトレーニングボールを投げる。「いろいろ“遊び心”も入れてという感じで。何かを極めようとやっているわけではないけど半分遊びの中でどう、うまくなるか」。繊細な感覚も必要なポジションながら、あえて複数のストレスを右手に与える斬新な手法。それを楽しみながら、感覚を研ぎ澄ませてきた。

今季は160キロ超えも目指している直球の手応えは「悪くはない。まだまだ伸びしろを感じる」。昨季は守護神として開花した右腕のブルペン投球には、何事にも動じない心の余裕と飽くなき向上心が詰まっていた。【木下大輔】

◆ドライブライン・ベースボールのトレーニング用ボール ドジャース大谷も、田中正とは種類が違うが、色によって重量の違う6種類の練習用ボールを取り入れている。ケガの予防や筋力アップが目的で、試合前の練習中にフェンスに向かって投げるなどしている姿が多く見られる。

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