日本ハム田中瑛斗投手(24)がレイズとマイナー契約を結んだ師匠・上沢直之投手(29)からの独立を宣言した。

田中瑛 一番良くしてもらっていたというか、いろんなところでお世話になっていた。野球以外でも相談していたところもあったりして。そういう人が身近にいなくなるということで、独り立ちのタイミングだなと。もう、頑張ります。

22年1月の沖縄・宮古島自主トレから一番弟子として上沢に師事してきた。チームが変わる今季は、師匠から学んだことを生かして高く羽ばたく1年とする。

年始のあいさつをメッセージで送った際には、シンプルな言葉で背中を押された。「上沢さんから『今年はやってくれ。今年は頑張ってくれよ、頼むぞ』と言われました」。毎年、そう期待の声をかけられていたが、今回は重みが違う。あらためて誓った。

田中瑛 上沢さんの穴は僕が埋めたい。あの人の(昨季投げた)170イニングが空く。なかなか埋められないと思うので、少しでも僕が足しに…。みんなで、あのイニングを埋めると思うんですけど、僕がなるべく多く投げたいと思っています。170イニング以上、埋めていいですか?

もちろん、OKだ。そうなれば、きっと師匠も喜ぶはずだ。

24日から沖縄・名護で先乗り自主トレに参加している。25日にはブルペン入り。「1週間ぐらい前に韓国に自主トレに行ったんですけど、いろいろ細かい分析をしてもらって出た課題が、ブルペンでうまいことできている」と上沢がいなかった今オフの自主トレの成果を実感した。

山本拓、ヤクルト高梨とともに20日から1泊2日で韓国へ行き、現地のトレーニング施設「SSTC」を訪問。指摘された課題が「左足を踏み込んだ時に、地面からもらっている力が10あるうちの半分以下になっていた」ということ。左足を踏み込んだ時に右股関節が開いていることが原因と分析され、改善のためのトレーニング法を学んできた。

その部分を意識した25日の投球練習で手応えを得て、進むべき方向性を再確認。「投げている感じもすごいまとまっていて、出力がちゃんと伝わっている。変なところに(力が)逃げていないなという感じはあったので、継続してやりたい」とうなずいた。

当面の目標は上沢の抜けた大きな穴を自分で埋め切ること。「メジャーリーガーになってほしいですし、僕もちょっとずつ追い付きたい」。師匠から“卒業”する今季こそ大飛躍を遂げたい。上沢の一番弟子は“ポスト上沢”の1番手も譲らない。【木下大輔】

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