一家分の思いを背負って? 日本ハム郡司裕也捕手(26)が三塁デビューした。10日、沖縄・名護での紅白戦に「1番三塁」でフル出場。谷内亮太内野守備走塁コーチ(33)から借りたグラブをはめ、2回のピンチでゴロをさばくなど3度の守備機会を経験した。得意の打撃では、初回に先制の足掛かりとなる左翼戦二塁打でアピールした。

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1点リードの2回2死一、三塁で伏見の打球が三遊間に転がる。郡司は難なく捕球して一塁に送り、同点のピンチをしのいだ。「野球やってれば誰でもさばける打球なんで。今日だけでは首脳陣も何も判断できないんじゃないかなと思います」。ゴロを5つさばくが目標だったが、ゴロアウトが1つとライナーが1つ、内野安打が1つ。「もうちょっといい打球、ほしかった」と本音ももらしつつ、三塁手としての初実戦を終えた。

出場機会を増やすべく、今キャンプから練習を始めた。新庄監督は「彼がサード守りたいと言うので。選手の気持ちは大事にしたいのでね。じゃあ、やってみようと」と郡司の意思を尊重。清宮の負傷離脱で“空席”でもある。野村らとの競争は歓迎だ。

不慣れな守備をサポートしてくれたのは内野守備のスペシャリスト、谷内コーチから借りたグラブ。だがこの日、手の甲部分の内側に文字が入っていることに気付いた。イニシャルが4つ。「これはまさかと。家族のイニシャルが入ってまして、とんでもないものを背負ってしまってるなと…。でもすごい捕りやすいんで、おわびを入れて使い続けたい」。谷内家は背負いきれない。だが「めっちゃ磨いて」丁重に扱う。

守備位置さえ確保できれば、打撃は見せ場。1回先頭、3ボール1ストライクから、テーマ通りに根本の直球を引っ張って左翼戦二塁打とした。「1番は意外と打ちやすい。特に初回は積極的にいくだけなんで」。今キャンプの紅白戦は早くも4度。11日からは対外試合も始まる。「こんなに早くから実戦をさせてもらえる球団はない。意気に感じながら、ありがたいなという思いでやらせていただいてます」。1打席、1度の守備機会たりとも、無駄にはしない。【鎌田良美】

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