守護神継続へ好発進した。日本ハム田中正義投手(29)が11日、楽天との練習試合(沖縄・名護)で今季初登板。4回に3番手で登板すると、1回を2連続三振含む無安打無失点に抑えた。全11球中9球が直球で、最速は150キロをマーク。移籍1年目の昨季、25セーブを挙げた右腕が貫禄を見せた。

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真っ向勝負で楽天打線を封じた。田中正が楽天田中和に1ボールから投じた2球目、外角への真っすぐが150キロを計測。打球は右翼フェンス手前で江越のグラブに収まった。代打堀内にはフォークを2球挟み、2ボール2ストライクから外角球で空振り。渡辺佳には4球すべて直球で挑み、またも外角高めで空を切らせた。

田中正 ゾーン内に強いボールをどんどん投げ込んでいくという気持ちで投げました。バッターのリアクションを見る限り、いい真っすぐがいってたんじゃないかなと思います。

今季初の実戦登板。表情は変わらないながら、発言の端々に納得感がにじんだ。決め球はいずれも直球だった。新庄監督は「引っかかりすぎでしょ、指に。あのボールを投げられたらバッターは当たらないというか、生きたボールですよね、あれこそ」と絶賛した。

ソフトバンクから加入1年目の昨季、4月下旬に抑えに定着すると25セーブを挙げた。自分の力でつかんだポジション。「9回、安心して任せられるなというボールをしっかり投げていけるように頑張りたい」。今季も譲るつもりはない。

移籍2年目となり、マイペースで調整を進められている。地面を押し、体全体で捕手方向にロスなく力を伝えることを意識しているという。この日は守護神候補の新助っ人、ザバラも登板したが2失点で、1回に31球を要した。建山投手コーチは「投げてるボールを見たらやっぱり(田中正が)ちょっと抜け出てる。こう投げたいというのが伝わる。仕上がっちゃって逆に不安」と笑うほどだ。

もっとも、打者もまだ目慣れしていない時期。「バッターが仕上がってきたときに、自分ももっと状態を上げていけるようにと思っています。あと1カ月半あるので」。照準はあくまで開幕。この好投は序章に過ぎない。【鎌田良美】

 

【練習試合】日本ハムが楽天に勝利/詳細