楽天の新たな元気印に潜入した。今季から育成で加わった山田遥楓内野手(27)は16日も相変わらずだった。シートノックで存在感が際立った。「よっしゃ~」「アウト!」「捕ったぁ~」「カモン、マイキー!」。遊撃の位置から、ややハスキーで甲高い声を響かせる。味方の好プレーには右手を挙げる。声と身ぶりと表情で盛り上げた。

声と元気は西武時代からの代名詞。「やっぱり山田遥楓と言ったら、みたいなところあるんで。そこを変えると、自分もぶれちゃう」と、3球団目でもスタイルは変えない。始まりはプロ1年目の15年。中村、栗山、秋山、メヒア、浅村、森等々、当時の西武には強打者がずらり。「もうかなわない、すごい世界。でも元気というのはできる。プロで人より抜けた、目立つところを出さないといけない」と声を出し始めた。

盛り上げるだけじゃない。「声を出すことで体も動く。結局は自分のためです」。ただ、フリー打撃の際、打撃投手に毎回必ず「お願いします」「ラストいきます」「ありがとうございました」と繰り返す。打撃投手の1人は「投げてて気持ちいいですね」。折り目正しく、受け入れられた。

当面の目標は、もちろん支配下登録。今江監督も「声を出して元気を出すのにスランプはないけど、それをできるのが彼の持ち味。1つの大きな戦力」と期待する。左打ちが多い内野陣で、右打ちで内野全ポジション可能な山田は貴重な存在になれる。本塁打を打ったら、憧れの元巨人松田宣浩氏公認の下「ワシ男!」のパフォーマンスで沸かすつもりだ。【古川真弥】

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