開幕三塁はオレだ! ソフトバンク栗原陵矢内野手(27)が、3打数3安打1盗塁で定位置取りを猛アピールした。ロッテとの練習試合(宮崎アイビー)に「7番三塁」で出場し、右翼線三塁打、右前打&二盗成功、右前タイムリーと打って走って大暴れ。24年チーム初の“猛打賞”で、対外試合無傷の3連勝に貢献した。小久保裕紀監督(52)の期待も大きく、井上やリチャードらとのホットコーナーバトルで抜け出しにかかった。

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栗原のバットが打ち出の小づちと化した。まずは2回先頭。開幕ローテ候補のロッテ西野が投じた真ん中144キロ直球を仕留めた。右翼線を破る打球が転々とする間に、一気に三塁まで激走した。

「振っている感覚、バットスピードとかも良くなってきました」

1本では終わらない。4回2死ではロッテの新外国人、ダイクストラの内角高めの153キロ直球を引っ張って右前へ。1-0の6回1死一、二塁では左腕坂本から追加点となる右前タイムリーを放ち、今季目標に「100打点」を掲げる男が勝負強さも発揮した。3打数3安打でお役御免。チームの対外試合無傷の3連勝に貢献した。

小久保監督も表情を緩めた。「彼は(21年に)1シーズンで20本以上の本塁打を打った実績があるわけですから。中距離打者としての期待は大きいですよね」。一昨年は左膝の故障で出場5試合、昨季も左膝の故障や右手首の骨折などで96試合出場にとどまった。だが、パンチ力もある背番号24が完全復活すれば、これほど力強いものはない。今季は西武からFAで山川、巨人からトレードでウォーカーが加入。栗原が定位置を獲得すれば、中軸の後を打つポイントゲッターを託す青写真が描かれている。

宮崎での実戦は5試合で12打数4安打3打点。開幕三塁争いで頭1つ抜け出す展開にも、「全然まだまだ」と慢心はない。ライバルの井上も負けじと、5試合で12打数3安打4打点と食らいついている。リチャードもキャンプB組(2軍)ながら、フリー打撃では場外弾を連発するなど猛アピール中。栗原はこの日、24年チーム初の“猛打賞”をマークしたが「しっかり頑張ります」と引き締めた。

足でもアピールした。4回には安打後、二盗に成功。ここ2年は盗塁0でプロ9年間の通算も12個だが、積極果敢に走る姿勢を示した。「今日はよく走りました。ゆっくり寝ます」と笑顔を見せ、帰りのバスに乗り込んだ。今季開幕は3月29日の敵地オリックス戦。三塁のポジションを譲るつもりはない。【佐藤究】

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