先輩が意地の“執念”を見せた。日本ハム今川優馬外野手(27=札幌市出身)が2日、阪神とのオープン戦(札幌ドーム)に2番左翼でフル出場。母校・東海大四(現東海大札幌)の後輩、阪神門別と“プロ初対戦”し、4回に中堅フェンス直撃の二塁打を放った。高校時代の監督も観戦に訪れた地元での試合できっちりとインパクトを残し、開幕1軍入りをアピールした。

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後輩との対戦を楽しみにしていた。今川は試合の前夜から、門別と連絡を取った。「楽しもうね」。門別が高3の時に札幌円山球場まで応援に駆けつけたこともあり、面識はあった。昨秋のフェニックスリーグで顔を合わせた時にも「来年、1軍で対戦できたらいいね」。オープン戦ではあるが、早速1軍での“プロ初対戦”が実現。「うれしいですね、後輩と対戦できるのは」とワクワクしながら、初回の打席へ向かった。

驚いた。開幕ローテ入りを狙う8学年下の後輩左腕のボールは、想像以上だった。「めちゃめちゃ、いい球を投げていました。1打席目、刺されました」。142キロ直球に力負けで一飛。でも、このままでは引き下がれない。“執念”を振り絞って臨んだ2度目の対戦は4回。カウント2-1からの4球目を投げる前に首を振った門別は、高めに145キロ直球を投げてきた。「首を振っての真っすぐだったんで、僕も打たなきゃなって」。フルスイングで対応し、中堅フェンス直撃の二塁打を放った。

ちょっと悔しかった。「先輩の意地を見せられたかな」という思いと同時に「あれをホームランにできないのが…門別君の真っすぐに1つ押されたのかな」。それでも、スタンドにいた東海大札幌の大脇監督からは「よく打ってくれた」とメッセージが届いた。恩師に良いところを見せられたのと同時に「(門別が)岡田監督にすごい期待されている記事を見るんで、陰ながら応援しつつ、僕も負けられないなって」。後輩からもらった刺激が“執念”に火を付けた。開幕1軍入りへ、アピールを続ける。【木下大輔】

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