オリックス太田椋内野手(23)がプレーボールから快音を鳴らすまで、わずか5秒5だった。「1番二塁」で出たロッテ戦の初回に先頭打者アーチ。開幕投手に決まっている左腕小島の初球直球を左翼席に放り込み、3年ぶりの開幕スタメンを強くアピールした。

「感触は完璧でした。積極的にいこうと思っていた。良いスイングができた」。2回も中前打。13日楽天戦(静岡・草薙)から4打席連続安打とし、オープン戦打率は3割5分7厘に上昇。「この前の試合からタイミングが良くなってきた。相手に合わせず、早めに」と始動を早める意識で状態を上げてきた。

奈良・天理高から18年ドラフト1位で加入した未完の大器。22年日本シリーズ第7戦には初球先頭打者弾でインパクトを残したが、入団から死球骨折などケガに泣き、昨季も9月に左手首を手術。18試合出場に終わった。「何の貢献もできなかった。今年は何とか頑張りたい」。負傷後は筋トレに励み、今の体重は91キロと5キロ増。パワーを実感する。チームの打撃投手を務める父暁さん(53)も「体がかなり大きくなりました」と目を細める。

二塁手を争うゴンザレスは守備の達人だけに、太田は打つことで存在を示したい。オープン戦の打席数16は西川、野口と並んでチーム最多。首脳陣の期待の表れと言える。「(シーズンで)使ってもらえるかは監督が決めること。しっかり自分のできることをやりたい」。油断せずに、歩みを進める。【大池和幸】

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