阪神中野拓夢内野手(27)が2安打でトンネル脱出を印象づけた。前日23日のオリックス戦(京セラドーム大阪)から2試合連続のマルチ安打。29日の開幕・巨人戦(東京ドーム)へ、万全の状態で挑む。

右翼線へ痛烈な打球が飛ぶと、虎党の大歓声が響いた。1-1で迎えた5回。1死一塁からオリックス2番手エスピノーザの5球目だ。2ボール2ストライクから138キロのフォークをとらえ、右翼線へ一時勝ち越しとなる適時二塁打。3日・日本ハム戦(札幌ドーム)の第2打席以来44打席ぶりの長打を決め、二塁ベース上ではお決まりの敬礼ポーズを見せた。

「エンドランのサインが出ていたので、外に逃げていくボールを逆方向というイメージの中での変化球だった。それをうまく畳んで打てた。徐々にバットの出方は良くなってるんじゃないかなと思います」

3回にも先発田嶋の141キロ直球をはじき返し、一塁手のグラブをはじく強襲安打を記録した。22日オリックス戦までは34打席連続無安打が。不振に苦しむ中、23日の初回に35打席ぶりの安打を放ち、この日も2安打だ。「昨日ヒットが出て少し安心した気持ちもありますし、そこで気持ちよく打席に入ることが今日もできた。それが一番よかった」と笑みを浮かべた。

開幕戦まで残り4日。直前まで自らの打撃と向き合うつもりだ。「自分のバッティングの動画を見たり、体の使い方であったり、バットの出し方をもう一度見直して、どこが良くてどこがダメだったのか分かった上で練習に取り組むことが大事。もう1回そういう意識を変えていかなきゃいけないなと思っています」。昨季のセ・リーグ最多安打男がいよいよ安打量産態勢に入った。【村松万里子】

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