ソフトバンクがリーグ3連覇中のオリックスに開幕カードで勝ち越した。1-1の7回1死一塁で栗原陵矢内野手(27)が右中間に決勝の適時二塁打。前日3月30日に併殺打を食らった小木田にプロ初黒星をつけて雪辱した。昨年8月に右手を骨折した男にとっては完全復活を懸けるシーズン。目標の100打点に向けても2打点で好スタートを切った。

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同じ轍(てつ)は踏まない。栗原がやり返した。完封負けした開幕2戦目、2点を追う7回無死一塁で併殺打に仕留められた小木田からV打。状況は同点の7回1死一塁とほぼ一緒だった。リベンジの意識については「いやいや」と答えたが、今度は右中間に打球を弾ませた。一走の近藤が息を切らして生還。栗原が今季2勝目を生みだした。

「つなぐ意識で。ランナー一塁ですし、つなぐ意識でいました」。小木田の初球、150キロ直球をコンパクトなスイングではじいた。「しっかり。いつも通り」。9回1死三塁では中犠飛を放ち、3点差に広げた。昨季は左膝靱帯(じんたい)断裂から復帰したが、8月30日に右手有鈎(ゆうこう)骨の部分切除術を受けた。完全復活を目指す24年は「100打点」を目標に掲げ、マルチ打点で開幕カードから好発進した。

3試合連続で6番に座った。前には3番柳田-4番山川-5番近藤という12球団トップクラスのクリーンアップ。栗原は「ランナーがいる状態が多いので、自分がなんとかもっとできる」と責任感十分に打席に入っている。「ほとんどランナーいるじゃないですか。ほんとに。(勝敗は)自分次第じゃないですかね」。27歳。近未来、チームの顔になる男はプレッシャーを抱えて戦い続ける。勝利打点にもおごらず「良かったです」と淡々と振り返った。

敵地京セラドーム大阪に乗り込み、3連戦を2勝1敗で勝ち越した。開幕カードは4年連続で勝ち越し。4連覇を狙う王者オリックス相手に十分な船出といえる。小久保監督は「去年の王者ですから、すんなりは勝たせてくれません。ただ、同点にされなかったってところは大きかったです」と胸をなでおろした。休日を挟んで4月2日からは本拠地開幕カード、ロッテとの3連戦を迎える。次なる目標は小久保ホークスのペイペイドーム初勝利だ。栗原は「ホームランを打つ打者がいっぱいいますし、自分の役割はなんとかつないぐ。いい状態でウォーカーに渡すことかなと思います。それは意識したい」と引き締めてバスに乗り込んだ。【只松憲】

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