ソフトバンクが延長12回の激闘の末、ロッテに逆転負けした。同点の12回に6番手又吉が荻野に決勝タイムリーを浴びた。打線は再三の好機を生かせず、柳田、山川、近藤のクリーンアップが3人で合計12打数1安打。小久保裕紀監督(52)は「ピッチャーに負担がかかりすぎているなって感じてますね」と、打線の奮起を促した。

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最後は中村晃が右飛に終わり、ペイペイドームにため息が響いた。今季初の延長ゲーム。12回で試合時間4時間15分の激闘の末、ソフトバンクがロッテに逆転負け。12球団トップクラスとも言われる打線が6安打2得点と元気がなかった。

初回は1番今宮が6年ぶりの先頭打者弾。幸先良く先制したが、追加点が取れない。同点の9回に守護神オスナがロッテに勝ち越しを許した。裏の攻撃で栗原が押し出し四球を選び、追いついたが、2死満塁で試合を決める一打は生まれなかった。小久保監督は「(オスナの失点は)全然(いい)。同点は難しいんですよ。それよりももう少し、楽な展開でっていうのがなかなかできてない。ピッチャーに負担がかかりすぎているなって感じてますね」と援護の少なさを嘆いた。

今季の打線の顔、3番柳田、4番山川、5番近藤が3人で12打数1安打。特に近藤は1-2の9回1死満塁で空振り三振に倒れ、天を仰いだ。打線の中核を担う役者たちだけに、かかる期待は大きい。開幕から5試合で平均得点は2・4点。12球団トップクラス、破壊力のあるメンバーだけに物足りなさは募る。「平均得点2点ちょっとくらいで3勝してるわけですから。ピッチャーのおかげですよ」。本調子ではない打線に、小久保監督は奮起を促した。

救援の松本裕、オスナが2連投。シーズン序盤の3連投は避ける方針で、4日の同戦では勝ち継投の温存も考えられる。小久保監督は「明日はルーキーたちの出番もあるかもしれない」と、ドラフト2位の岩井、同4位の村田、同5位沢柳のプロ初登板も示唆した。理想は楽な展開での1軍デビュー。踏ん張る投手陣を援護する、打線の目覚めが待ち遠しい。【只松憲】

○…中村晃が今季初安打をマークした。2-2の延長10回2死の第2打席、ロッテ鈴木から中前打。フルカウントからの6球目、真ん中高め直球を仕留めた。「いい集中力で打席に立てた。やっぱ1本出るとほっとはしますね」。今季は山川、ウォーカーが加入し、開幕からベンチスタートが続く。この日は9回から代打で出場し、3打数1安打だった。

○…守護神オスナが9回に1点を失うなど、救援陣が踏ん張れなかった。今季初の延長戦にもつれ込み、12回に又吉が2死一、二塁から荻野に決勝となる左中間への2点適時二塁打を許した。「又吉は今季初登板で、しびれるところでね。まあ、切り替えてやってくれたら」と試合後の小久保監督はベテラン右腕をかばった。

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