阪神前川右京外野手(20)が、流れを呼び込む2安打で5番スタメン起用に応えた。3試合ぶりに左翼の先発出場。打順は今季初めて5番に入った。

2日と3日のDeNA戦(京セラドーム大阪)は先発左翼をシェルドン・ノイジー外野手(29)に譲り、代打出場。この日は相手先発が下手投げ右腕の中川颯で、チャンスが巡ってきた。今季これまで先発した2試合は5番佐藤輝の後ろ。クリーンアップの仲間入りにも前川は「全然(普段と)変わらないです」と冷静に試合に入った。

だが、思わぬ先制パンチを食らった。2回の第1打席にDeNA先発中川颯の2球目が背中付近に直撃。苦悶(くもん)の表情を浮かべたが、すぐに一塁へ走り出した。

ここから前川の本領が発揮された。0-0の4回。先制につなげる突破口を開いた。1死走者なしからDeNA中川颯の2球目、129キロを左中間へ運び、二塁打。「ある程度狙い球を絞って入れたのでよかった」と手応えをつかんだ。6番佐藤輝の右前打で1死一、三塁と好機を広げ、7番梅野の中前適時打で生還した。

1点を追う8回にも2死から5番手森原に2球で追い込まれながら、152キロ高めの直球を振り抜き、左前にはじき返した。マルチ安打の活躍に「次にもつながると思いますし、また明日からちゃんと数字残せるように。結果が出たので、もう1回準備したい」と5日からのヤクルト戦(神宮)へ気合を入れた。これで開幕から5試合に出場して打率4割。猛虎打線の欠かせぬ1ピースへ。20歳の若虎が活躍を続ける。【村松万里子】

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