3時間51分の激闘を締めくくった。阪神新外国人のハビー・ゲラ投手(28=レイズ)が、1点リードの最終回を無失点に抑え、来日初セーブを挙げた。岡田監督から岩崎とのダブルストッパーを期待される最速160キロ超を誇る右腕。この日は9回を0に抑えた左腕からバトンを受けた。

「どんな状況であれ、キャッチャーを信じて、味方を信じて、自分を信じて投げることは変わらない。そこはできたと思うよ」

先頭長岡にいきなり右前打を浴び、犠打で1死二塁のピンチを招いた。それでも動じなかった。代打川端に対し、得意のスライダーで一ゴロに仕留めた。2死三塁では丸山和を1-2と追い込み、最後は自慢の剛球で二ゴロに仕留めた。

「ブルペンのみんなで粘ってゲームがつくれた。本当にいい試合で、勝てたことが何よりうれしいよ」

マウンド上にできたナインの輪でうれしそうにハイタッチ。緊張から解放され、クールな表情は完全に砕けていた。

元々内野手の新助っ人は、19年に当時のGMから話を持ちかけれ投手へ転向した。野球人生を左右する大きな決断。それでも当時の心境については「覚えてないよ」と笑い飛ばした。

「意外とあっさりというか。それよりも、今こうして投手としてプレーできているから。いい決断だったね。もう1回野球人生をやり直せるなら、二刀流がしたい。チャンスがあるならね」

「野手」でも「投手」でもない。すんなり決断できたのは「ベースボール」を愛していたからだった。置かれた場所で輝き、ここまで来た。

今季は登板3試合全てで無失点。防御率は0・00を継続し、ブルペンでの信頼は日に日に高まっている。神宮の虎党へ、あいさつ代わりの1セーブ目となった。【波部俊之介】

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