中日先発の涌井秀章投手(37)が「熟練投法」で今季初勝利をあげた。7回1死で渡した勝利のバトンは救援陣が2戦連続の完封リレーで完結。ベテラン右腕がチームに昨年3月の開幕戦以来となる貯金1をもたらした。

7回、先頭の田村に三塁打を許した。続く菊池を一邪飛に打ち取ったところで立浪監督がマウンドにやってきた。86球、毎回の8安打を打たれながらも無四球無失点。プロ入りから20年連続となった勝利を「3者凡退が1度もない中で、みんな守ってくれて、先制して、追加点も取ってくれた。いい勝ち方になったと思います」と振り返った。

今季初登板となった開幕2戦目のヤクルト戦。史上24人目の2000奪三振に到達し、6回を無四球無失点も打線の援護がなく、チームも勝利に届かなかった。昨季も好投報われず、リーグ最多13敗。「先発投手はチームを勝たせてなんぼ」。中日移籍1年目をこう振り返った右腕が先発としての役割を十分に果たした。

20年連続勝利は「別に大したことない。連盟表彰もないのでね。あったらうれしいですけど」とサラリと交わしたが、先発投手として勝利に対する思いは強い。「先発は勝ちがつかないと乗っていけないので」。通算491試合目の登板だが、先発では400試合目。西武時代の2シーズンとロッテでの1試合、楽天の4試合を追加を除き、先発投手としてマウンドに立ち続けるスペシャリストらしい通算160勝目だった。

▼涌井が今季初勝利を挙げ、高卒1年目の05年から20年連続勝利。プロ1年目からの連続勝利は56~77年米田(近鉄)と02~23年石川(ヤクルト)の22年が最長で、20年以上は史上8人目。右投手では前記米田の22年、53~73年小山(大洋)21年、62~81年佐々木(南海)20年に次いで43年ぶり4人目になる。

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