山川よ、乗り越えろ。ソフトバンクが今季初の連敗を喫した。日本ハムを上回る10安打を放ちながら、得点は近藤の2ランのみ。西武からFA加入した山川穂高内野手(32)は、4打席全て得点圏に走者を置いての場面だったが、快音は生まれなかった。現役時代にホークスや巨人で何度も4番に座ってきた小久保裕紀監督(52)は「4番はどうしてもそうなる。自分で切り抜けるしかない」と悩める主砲の背中を押した。

山川が首を傾げたのは5回だった。2-4で無死満塁の絶好機。熊本に集まったタカ党の声援は一段と大きくなった。しかし日本ハム山崎の低めスライダーを引っかけ、痛恨の併殺打。2死一、二塁としぼみ、後続も倒れた。

山川は冷静に振り返った。「打っている球は自分でもいけると思って振っているので。そこに関しては間違いではない」。誤算なのは「自分が思っているよりも力が入っている」こと。「リラックスしていこうって、ただそれだけの問題でもないので。技術的にも心のコントロールすることも含め、明日また練習していくしかない」。

西武時代は18、19年に山賊打線の4番としてリーグ2連覇に貢献した。ソフトバンク移籍後も開幕10試合で4番を任されている。過去に3度の本塁打王、1度の打点王、通算219本塁打。経験値が山川を後押しする。「打てなかったのことの方がやっぱり多いので。それもずっと乗り越えてきました。なかなか切り開けなかったり、いろんなことは経験してます。そこでも後手に回らずにやっていくことが、今までの経験上は良かったので」。

首位はキープしたが、熊本での連勝は4で止まった。山川の打率は1割5分8厘。「ちょっと苦しいですけど」と心境を明かしつつ「しっかり越えていきたい」。一喜一憂はせず、ホークスの4番は前を向き続ける。【只松憲】

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧