3季ぶりに8番でスタメン出場した中野拓夢内野手(27)が、決勝打を含むマルチ安打で5試合ぶり勝利を呼び込んだ。

1-1の7回、2死二塁では梅津の初球、フォークをすくい上げ、打球は二塁手と中堅、右翼の間にポトリ。ラッキーな右前打が決勝打となった。「才木が粘りながら、頑張って投げていたので、何とか点を取ってあげたい気持ちがあった。当たりとしては良くなかったですけど、初球を積極的に振りにいけた結果」とうなずいた。

同点打をお膳立てしたのも背番号51だった。1点を先制された直後の3回。1死で迎えた第1打席、中日梅津の2球目スライダーを左前に運んだ。11日広島戦(甲子園)の第3打席以来、11打席ぶりの安打はこの日のチーム初安打。反撃の口火を切った。9番才木が送り、1番木浪が四球で2死一、二塁。2番梅野の中前打で二塁から全力疾走し、同点のホームを踏んだ。

8番での出場は21年7月14日のDeNA戦(甲子園)以来。3年ぶりの打順を聞くも「あんまりなんとも思わなかったです」と冷静だった。「打順がどうであれ、自分のやるべきことは変わらないですし、ちょっとうまくいかなかった打席が続いていたので、気分転換になったと思います」とプラスにとらえた。

頼れる選手会長の2安打1打点で連敗がストップした。「接戦をものにできたところからチームの雰囲気もよくなってくると思いますし、何とか打撃陣がピッチャーを楽にして投げさせてあげられる展開を作っていきたい」。15日からは甲子園での伝統の一戦。虎の安打製造機が今度は連勝街道へとけん引する。【村松万里子】

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