ソフトバンク3軍の韓国遠征が16日、始まった。チーム宿舎から約2時間半をかけて、斗山ベアーズの2軍本拠地・ベアーズパークスタジアムに到着。この日は若干の渋滞に巻き込まれながら、ホークスナインは初戦を迎えた。

先発は21年育成ドラフト3位、井崎燦志郎投手(20)が務めた。「ボールはこっちの出していただいている」とNPB公式球を使用した。初めてのマウンドは「やっぱり固いかなっていうのはありました」。さらに斗山ベアーズナインのデータも皆無に近く「バッターが何を待っていて、何を打っているのかもキャッチャーと話をして。基本真っすぐ待ちなんですけど、変化球もちゃんと対応してくるバッターが多い。すごいです」と目を丸くした。

6回3失点にまとめた。データがないのは裏を返せば、自分の球が通用するかの指標になる。「データがあってもそれ通りに投げる技術がないのであれですけど…」と謙遜しながら「思い切って開き直って。自分の球がどこまで通用するのか勝負できるっていう感じの良さはありますね」と汗をぬぐった。

井崎は3度目の韓国遠征。「最初はご飯が食べられないとか、マウンドが固いとか、移動も長いとか。いろいろあったんですけど、今は分かっています。3回目なので」。逆算してホテルで調整を行い、バナナやゼリーで捕食を欠かさないようにした。高卒3年目。異国の地で貴重な経験を重ねている。

倉野1軍投手コーチにもハッキリと言われた。「来年は2軍で投げさせようと思っている」。その言葉には「けど」が続いた。「急に中継ぎでワンポイントだったり、先発調整していて中継ぎにいったり。育成選手はそれに対応しないと、支配下にはなっていけない。環境を言い訳にしないように、ベストを尽くせる投球を」。井崎は「その通りだと思います」とうなずいた。

韓国遠征には球団のさまざまな狙いがある。ナインもまた、海外経験を生かそうと必死だ。28日まで12試合を行う予定。若鷹はもがく。(利川市=只松憲)

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