<オープン戦:ソフトバンク2-3阪神>◇6日◇福岡ヤフードーム

 阪神クレイグ・ブラゼル内野手(31)の12年第1号はまさかのプロ初ランニング弾だった。6回2死三塁。ソフトバンク左腕・嘉弥真の外角134キロをたたいた。左中間への大飛球は中堅内川のグラブをかすめ、フェンス下部ではね返った。内川の足に当たったボールは左翼方向に転々。真っ赤な顔のブラゼルは、107キロの巨体を揺らし、倒れ込むようにホームに滑り込んだ。

 よれよれでニヤリと照れ笑いしたブラゼルは「ランニングホームランは高校で打った。プロに入ってからはもちろん初めて。足がもつれて疲れたね」と舌をペロリと出した。この日も本職ではなく、5番左翼で先発。ポジションを争う城島は7番一塁で左翼席にオープン戦1号をたたき込むなど相乗効果は抜群だ。

 ノリノリB砲のビックリ弾を受け、和田監督は「珍しいモノを見たね」とニッコリ。「(左翼は)守る可能性がある。早い時期に甲子園でも守らせておきたい」と説明し、9日西武戦からの甲子園3連戦で左翼守備に就く方向だ。当初は万が一のプランだったが、シーズンでの左翼ブラゼル誕生が現実味を帯びてきた。試合後はツイッター上で「OMG!!!(オーマイガー!!!)」とつぶやいたB砲。間違いなく今、乗っている。【佐井陽介】

 ◆ランニング本塁打メモ

 オープン戦のランニング本塁打は、01年3月3日谷(オリックス)が近鉄戦の5回に記録して以来、11年ぶり。親善試合では04年3月29日に東京ドームで行われたヤンキース対阪神戦で矢野(阪神)が記録。昨年の公式戦では7月7日渡辺正(ロッテ)と9月24日内村(楽天)の2本出ている。