侍ジャパンの広島鈴木誠也内野手(22)が3日、強化試合の阪神戦(京セラドーム大阪)で元気にスタメン復帰した。発熱と体調不良で2月28日からの台湾選抜戦2連戦を欠場していたが、7番右翼で出場。世界一奪回を目指す日本代表に欠かせない“神ってる男”が、ギアを上げて7日のWBC開幕キューバ戦(東京ドーム)に照準を定める。

 侍ジャパンに鈴木が帰ってきた。発熱と体調不良で2月28日、3月1日の台湾選抜との壮行試合を欠場。だがこの日の阪神戦のスタメンに、背番号51が「7番右翼」で復帰した。

 体調を崩したのは2月28日だった。球場入りから足どりは重く、全体アップにも参加しなかった。約30分遅れてランニングシューズのままでグラウンドに登場。右翼ポール際で軽めのダッシュを数本行い、室内で打撃練習を行った。1度はセカンドアップに姿を見せたが、試合終了を待たずに、球場を後にした。

 翌3月1日には熱が下がっていたが、大事をとって本隊を外れた。2日連続の別メニュー調整。いずれも宿舎に戻り、テレビで試合を見た。「悔しさというよりも、自己管理の甘さ。試合数が少ないなかでもったいない」。アピールをしなければならない立場だ。欠場している間に代わって出場した平田は2戦連続安打を放った。鈴木は悔しさと、情けない思い胸に、復活に備えてきた。

 大阪に移動して行われた2日の練習で、3日ぶりに全体練習に復帰。フリー打撃やダッシュで汗をかき「(体調は)全然問題ないです。2試合出られなかったので、その分、1打席1打席をしっかりやっていかないといけない」と意気込んでいた。本番まで残り2戦のなかで「7番右翼」でスタメン起用された。期待に応えようと、バットを振った。右飛、遊ゴロ、三ゴロとヒットは出なかったがスタメン復帰で実戦感覚を養えたことは大きな収穫。7日の本番キューバ戦に向け、急加速で仕上げる【池本泰尚】