師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が「筋トレが好きで稽古も真面目。相撲が好きなんだろうね」と、期待を含んだ笑みを浮かべた。8日目の19日に新序出世披露に臨んだ、新弟子の颯富士(本名・大桑元揮、18=伊勢ケ浜)のことだ。突き押しを武器に静岡・飛龍高で昨年の高校総体を制し、令和最初の高校横綱に輝いた逸材は「なるべく早く関取になりたい」と目を輝かせる。

身長168センチ、体重134キロ。両親がともに身長160センチに満たず「遺伝的に小さいのかもしれない」。大きくはないが、伊勢ケ浜親方は意に介さない。「横幅ががっちりしているのがいいよね」。兄弟子には幕内に定着している照強ら小兵がいる。師匠は「小さくて頑張ってるのはたくさんいる」と強調した。

幕下の狼雅、北の若ら近年、角界に進んだ元高校横綱は順調に番付を上げている。「高校横綱」の肩書で注目を集める立場にあるが、師匠は「いいじゃん、いいじゃん。それを励みにすればいい。それを自信にしている感じがするよ」と頼もしそう。3人の関取を抱える部屋に、新たな息吹がもたらされるか。【佐藤礼征】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)