初場所で初優勝した、稀勢の里(30=田子ノ浦)の横綱昇進伝達式が25日、都内で行われた。日本出身力士としては、19年ぶりの横綱誕生に、200人を超える報道陣が会場に殺到した。一問一答は次の通り。【取材=村上幸将】

 -これまで1番辛かったこと

 あと1番、足りないという場所が何度も続きましたし、目の前で優勝が決まった相撲も何番も見ましたし、そういうのが本当に悔しかったですけど、我慢してきて本当に良かったですね。

 -今後、横綱として自分に求められる1番の役割は

 本場所では常に優勝争いに加わり、そして優勝もしないと…もちろん、優勝を目標にしていますし。そして協会のためにもね…これから伸びてくる若い力士を、引っ張り上げないといけないという立場にありますから、そういう部分でも人間として、どんどん、どんどん成長していきたいと思っています。

 -横綱は単純に相撲協会の番付の一番上ということ以上の意味合いがある

 もちろん、綱を締める立場ですから、そういうふうに思っていますし、そういう位置ですからね。やっぱり自覚を持って、やっていかなければいけないと思っています。

 -初優勝して、横綱に昇進して次の目標は

 毎場所、優勝ですね。

 -横綱には品格が必要と言われる。横綱が考える品格とは、どういうもの?

 難しいですけど…まぁ、人それぞれ、そういうのはいろいろありますけど、自分の中では、やはり見本、手本となるような力士というのが、それだと思っていますが。しっかり、相撲道に精進していくだけだと思います。その結果、周りからそう言われると思いますけど。

 -八角理事長が「相撲をやっている子もやっていない子どもたちも、姿を見て稀勢の里関のようになりたいと思うようになればいい」と期待している。今、なかなか若い力士が少なくなってきている中、どうしたらいい?

 相撲の魅力を伝えるのも、我々の仕事であり、そして巡業でも地域と触れ合って、そこに来る学生もそうですけど、少しでも相撲の魅力を伝えていきたいなというふうに思っています。相撲に興味を持ってもらって、相撲界に入ってくれれば、自分もそれ以上にうれしいことはないですね。

 -師匠から素直と言われた。入門してから、特に素直にやってきたこと、1番は

 自分は、ほとんど相撲経験がなく、この相撲界に入ってきました。右も左も分からない以上、相撲も分からない状態で、先代の師匠(故鳴戸親方、元横綱隆の里)が指導してくれる、そのままをけいこ場でやって、そして本場所でも、そのような相撲をとって…そうやってやっていくうちに、体もどんどん強くなって、ケガもしない体にもなってきましたし。言われてやり続けてきたことが今、こうなって良かったと思っています。