明治末期の北海道を舞台に、日露戦争の孤高の英雄が、アイヌ埋蔵金を巡って最強師団や新選組の生き残りと激しいバトルを繰り広げる。野田サトル氏の原作コミックは、歴史ロマンを背景にアイヌ文化のポジティブな描写が評価された。
ミュージック・ビデオの世界で名を成した久保茂昭監督は、アイヌ民族に気配りする一方で、コミックならではの描写をグロテスクにならないぎりぎりのところに丸めて、心躍るエンタメ世界に仕上げている。
主人公の杉本(山崎賢人)が二〇三高地の死戦を勝ち抜くシーンや巨大ヒグマとの死闘など、ふんだんな視覚効果が大作感を盛り上げる。埋蔵金探しを助けるアイヌ女性に山田杏奈。ドラマ「ゼイチョー」のメガネ姿とは対照的な遠くを見る自然児の目に悲しさもにじみ、引きつける。コンビの行く末にハラハラする。
怪しい情報将校・鶴見役の玉木宏や、実は生きていた新選組・土方歳三役の舘ひろしが、誇張一歩手前のところで、ぎらついたキャラをにおうように演じる。
「キングダム」に続く大舞台で、強烈キャラに囲まれながら、その真ん中が似合う山崎賢人には、「大作俳優」のイメージが固まった。【相原斎】
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