ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ~

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ミナミに新たな名所を、巨大「だるま大臣」で恩返し

大阪・ミナミの繁華街、道頓堀に11月末、新名所が誕生します。大阪の老舗の串カツ店「串かつだるま」を展開する一門会(大阪市)が道頓堀川沿いに建設中の新ビル(高さ約20メートル)の屋上に同店のマスコット人形の巨大像「だるま大臣」(高さ約12メートル、重さ約20トン)を設置します。この「だるま大臣像」には思わず笑ってしまう「おもろい仕掛け」が、たくさんあります。一門会の上山勝也会長兼社長(59)に聞きました。 「回って、止まって、回って、止まるんですわ」。こわもての職人をイメージした同店のシンボル「だるま大臣」。新ビル屋上の台座の上に立つ「だるま大臣像」は時間とともに“移動”するそうです。

「だるま大臣像」を屋上に設置した新ビルの完成予想図(一門会提供)
「だるま大臣像」を屋上に設置した新ビルの完成予想図(一門会提供)

現在、新ビルは道頓堀川沿いにあるディスカウント店ドン・キホーテ道頓堀店の観覧車「えびすタワー」の対面に建設中です。設置されるだるま大臣像の定位置は、道頓堀川を挟み、観覧車と向き合う形になります。

「約20分がたつと、角度にして約15度、回る。そうすると、顔の正面が戎橋に向くわけですわ」。戎橋と言えば、名物看板「道頓堀グリコサイン」があり、観光客の人気の撮影スポットです。新入りのだるま大臣像がグリコの看板に軽く“あいさつ”。「戎橋を向いてじっと約20分、今度は180度、回転です。戎橋に背中を向けると、背中にはだるまの看板を背負ってますねん」。

上山社長の声は弾みます。

「戎橋からみたら『あれ!? さっき、あのオッサン、正面向いていたのに、背中を向けて看板を背負っているやないか』となる。『オッサン、だるまの看板を背負って頑張っとんな~』となればええね」

観光客をたっぷりと楽しませた後、再び定位置に戻ります。約1時間かけた“回転ショー”です。

「これもね、大阪人の笑いですねん。観光に来ていただいた方に喜んでもらうために考えましたんや」

もちろん、回転だけではありません。夜になると、イルミネーションで楽しんでもらう計画があります。 道頓堀商店会会長も務める上山社長は道頓堀の情景を「赤い灯、青い灯」と描き、今も道頓堀の定番曲として歌い継がれている「道頓堀行進曲」に思いをはせます。

「かつて道頓堀という街は、『赤い灯、青い灯』のネオンが川面に揺らぎ、芝居小屋の五座があったエンターテインメントの街、食の街。大人の粋な街やった」。

だるま大臣像から道頓堀の川面へ、赤と青のイルミネーションを照射する計画もあります。「現代の道頓堀と昔の道頓堀を融合させながら、粋な街を演出できたらええな」。試行錯誤は続きます。

設置費用は約2億円。関係各所と話し合いを続け、安全面など、建築基準法などはすでにクリアしています。

大阪・ミナミは新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けました。「串かつだるま」は創業以来、91年間守ってきた独自ルール「ソースの2度漬け禁止」を変更し、新しい生活様式では「ソースはかけて食べてや」に変えてます。 コロナ禍の中、上山社長は「こういうときだからこそ、行政だけに任せておくのではなく、民間の力で大阪・ミナミを盛り上げていきたい。大阪で生まれ、大阪で育って、道頓堀で商売させていただいて、縁があって道頓堀商店会の会長になった。道頓堀に恩を返さなあかん」と話します。

大阪・ミナミでは閉店する飲食店も増えています。「沈んどったらあきまへん。大阪人やったらおもろいこと考えな。いろんなところで事なかれ主義みたいなことがあるけど、やっぱりイケイケのヤツはイケイケでいかなあきませんて」。上山社長の大阪弁にはパワーがあふれます。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)

 ◆村上久美子(むらかみ・くみこ) 大阪(泉州)生まれ。91年入社。関西の芸能社会を中心に取材。吉本興業、宝塚歌劇、短期間ながら阪神タイガースと、関西発の3大ホットコーナーをはじめ、NMB48まで、取材歴は20年以上。

 ◆松浦隆司(まつうら・たかし) 大阪生まれ。92年入社。関西を中心にスポーツ紙の社会面担当としてエロから政治まで、ダークサイドも含め取材歴は20年以上。和歌山毒物カレー事件、橋下徹前大阪市長は茶髪弁護士時代から取材。

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