日本映画製作者協会が、最も優れた新人監督に授与する新藤兼人賞授賞式が5日、都内で行われた。
金賞には「グッド・ストライプス」の岨手(そで)由貴子監督(31)、銀賞には「トイレのピエタ」の松永大司監督(41)が選ばれた。
金賞の岨手監督は、第7回TAMA映画賞授賞式での最優秀新進監督賞に続く受賞となった。「1月に子供を産んだばかりで、孤独な毎日を送っています。保育園にも入れることができない…これから、どうしようと思った中での受賞でした。もう少し頑張れ、というメッセージだと思います。頑張って次の作品を撮りたいです」とあいさつした。
一方、松永監督は感激のあまり男泣きした。「大学を卒業して、ずっと10年近くバイト…窓ふきをしてきました。東京駅から(会場まで)歩いてきた時に、初めて窓をふいた建物が偶然、近くにあって…多分、あの時は、こういうこと(受賞)は想像もできていなかった。僕と岨手さん以外にも、身を削って映画を撮っている人がいて、才能があってもチャンスがなくて、やめていく人もいた。僕は恵まれています」。
また一般社団法人私的録画補償金管理協会が、優秀な作品の完成に大きな貢献を果たしたプロデューサーを評価し、年間最優秀プロデューサーを顕彰するSARVH賞が、同協会が昨年、解散したことを受け、今年からプロデューサー賞となった。同賞には「ビリギャル」を製作したTBSの那須田淳プロデューサーとフィルムフェイスの進藤淳一プロデューサーが選ばれた。那須田プロデューサーは「受験のハウ・トゥ本に近い原作でしたが、家族の物語を作れるとピンときました。『受験の話で映画ができるのか?』という声もあったが、新しいチャレンジをしなきゃいけないと思った。厳しい予算の中、作りましたが、有村架純さんをはじめキャストの出会いに支えられました」とあいさつした。
主催の日本映画製作者協会代表理事で、新藤兼人監督の次男の次郎氏は「ビリギャル」について「予算をかなり絞って作ったと聞いた中で、よくここまで(作品を)育てたなと。最近の(映画の)成功例の典型例で、内容も良かった」と評価した。
新藤兼人賞は(1)14年12月から15年11月公開の劇場用長編映画で、長編実写映画監督第1作から3作品目以内の監督が審査対象。過去、金賞は96年に是枝裕和監督(「幻の光」)、02年に橋口亮輔監督(「ハッシュ!」)、03年に李相日監督(「BODER LINE」)、10年に呉美保監督(「オカンの嫁入り」)13年に白石和弥監督(「凶悪」)ら、その後、日本映画界で活躍する監督たちが受賞している。



