先月27日に80歳で亡くなった元NHKアナウンサーでスポーツアナリストの西田善夫(にしだ・よしお)さんの通夜にあたる前夜式が1日、東京・日本基督教団滝野川教会で営まれた。

 五輪やプロ野球などのスポーツ実況で活躍した西田さんをしのんで、フリーアナウンサーの草野仁、元五輪代表の増田明美氏など約400人が参列し献花を行った。祭壇にはソフトバンク王貞治球団会長から贈られた花も飾られた。

 喪主で長男の雑誌「ブルータス」編集長・善太(ぜんた)氏は家族代表のあいさつで「子どもの頃、家に発音表が貼ってあり、それを読ませられ、アナウンサーの特訓をさせられました。よく食べ、よくしゃべる人で、食卓ではオンエアで話せないスポーツの裏話をしてくれました」と、亡き父を振り返った。

 献花後、NHKで西田さんの後輩だった草野が取材に応じ、1976年(昭51)のモントリオール五輪で西田さんと現地で実況した際のエピソードを明かした。テレビ実況を西田さん、ラジオを草野が担当したといい、100メートル自由形の決勝でジム・モンゴメリー(米国)が50秒の壁を破る49秒99を出して優勝した時、50秒を切るかどうかの賭けをした。草野が勝ち、「ロブスターをごちそうになりました」という。「オリジナリティーのある表現をしたいという思いが伝わってくる。そういう人でした」としのんだ。

 告別式は3日午前11時から同所で行われる。