米俳優ブラッド・ピット(52)が14日、新作映画「マリアンヌ」のプレミア上映会に出席するため、20年前に無期限で入国を禁止されていて以来初めて中国を公式訪問した。同国で映画の宣伝活動を行うのは、これが初めて。登山家と若きダライ・ラマとの交流を描いたピット主演の映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(1997年)で、紅軍の指揮官が意図的に傲慢(ごうまん)で無礼な人物として描かれているなどとして、中国政府はピットの同地国への立ち入りを禁止していた。ピットは2年前に一度、非公式で中国を訪問していたと言われている。

 上海で行われたプレミアで熱烈な歓迎を受けたピットは、およそ40分間に渡って記念撮影やサインに応じるサービスで長年待ち続けたファンを喜ばせた。大勢のマスコミの前に登場するのは、離婚騒動以来初めて。黒のスーツ姿のピットは離婚騒動前よりもほっそりしているものの笑顔で写真撮影に応じたが、インタビューは映画についてのみに限定され、女優アンジェリーナ・ジョリーとの離婚について語ることはなかった。23日の全米公開を前に、今後は米国でのプロモーション活動に参加するかどうか注目されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)