演歌歌手北山たけし(43)が15日、東京・港区の「JOYSOUND品川江南口店」で、新曲「アカシアの街で」購入者対象のイベントを行った。

 故郷の福岡・柳川市でカラオケ教室を開く父渡辺英気氏(71)も出演し、約100人の参加者にカラオケレッスンを行った。

 かつてプロ歌手を目指していた渡辺氏は、その夢を息子の北山に託し、子どもの頃から厳しいレッスンを課していた。

 北山は「4歳から12歳くらいまで。歌えないと竹刀でたたかれたり、雪の中をパンツ1枚で家の外に出されたりした」と話す。「勉強をしろとか、スポーツをしろとか、友だちと遊べとはひと言も言われなかった。ただ『演歌を歌えるようになれ』とだけ言われ続けた」と振り返った。

 歌手を夢見る父と子の二人三脚のおかげで、北山は地元のテレビ局主催の「ちびっ子のど自慢」大会で優勝を遂げるなど、歌の力を着実に付け、プロの歌手になることができた。

 この日、2人で歌唱するシーンもあったが、感極まった北山は何度も声に詰まり、目頭を押さえた。渡辺氏も「今日は私の人生で最高の喜びの日です」と父子共演に声を弾ませた。イベントの最後には「北山たけしをよろしくお願いします」と言ってステージで土下座。息子への応援をファンに訴えた。

 北山にとって今年は15周年の節目の年。「今日がスタートです。全国ツアーも行うし、4月4日には師匠(北島三郎)が作詞作曲をする15周年記念曲を発売します」と明かした。

 昨年までは、北島がオーナーの競走馬キタサンブラックが2年連続で年度代表馬になるなど街の話題をさらった。「今年は自分が演歌界の年度代表歌手になるように頑張ります。全力で走ります」。節目の年のさらなる飛躍を誓った。