1日に、2つのグループのお披露目イベントを取材した。

 1つは、エイベックスが送り出す女性2人組ボーカルグループ「alom(アロム)」。歌手経験のある2人が新たに組んだユニットで、アイドル路線というより、歌で聴かせる実力派だ。

 パフォーマンスも見せてもらったが、さすがだった。全てハモりで歌っていたが、安定感があった。衣装はアイドルっぽくも見えたが、曲調やフリなどはいわゆる現代の「アイドル」とは違った。パフォーマンスを見た関係者からは「『wink』を思い出す」という声も上がった。

 もう1つは、新垣結衣らが所属する芸能プロ「レプロエンタテインメント」で初となる男性14人組俳優ユニット「浅草軽演劇集団・ウズイチ」。こちらはオーディションなどを経て結成しており、芸能活動未経験者がほとんど。同社が持つ劇場「浅草九劇」を拠点に、軽演劇公演を行っていくという。

 お披露目イベントには、所属事務所の先輩でもある菊地亜美(27)が応援に駆けつけ、メンバーはそれぞれ、菊地に自己アピールした。14人もいると、個性がかすむのでは?と思って見ていたが、そんなことはなかった。既にメンバー間でのキャラ把握ができているようで、いわゆる“かぶり”もなく、互いにうまくアシストし合っている印象を受けた。「軽演劇集団」だけあって、お笑いの要素も持ち合わせていた。イケメン役者集団と、お笑いグループのいいところを合わせたようだった。

 「アイドル戦国時代」と言われるように、芸能界におけるグループは群雄割拠の状態だ。既視感のあるものに飛びつく人は少ない。見る者にどれだけ“珍しさ”を与えられるかの隙間産業ともいえる。

 事務所やレコード会社もそれを把握した上で、日々新たな企画を練っているのだ。この日取材した2つのグループが今後どうなっていくのか、楽しみだ。