黒沢明監督(享年88)の映画「生きる」がミュージカル化されることが18日、分かった。

 市村正親(69)鹿賀丈史(67)のダブルキャストで、没後20年記念作品として、10月から東京・ACTシアターで上演される。

 世界に多くのファンを持つ黒沢監督の作品のミュージカル化は世界初。演出は、ニューヨークやロンドンにも進出経験のある宮本亜門氏(60)が手掛ける。制作側は、将来のブロードウェー進出も狙っている。音楽はブロードウェーミュージカル「若草物語」で知られるジェイソン・ホーランド氏が手掛ける。

 ◆映画「生きる」 役所の市民課で働く定年間近の勘治は胃がんで余命わずかと知る。それまでの人生に疑問を抱き人生で初めて欠勤をして夜の街を遊び歩いたが、むなしさが残るだけだった。すると偶然、同僚とよに会い、全てを打ち明けると「何か作ってみたら」と提案され、目の色を変えて仕事に打ち込む。市民の要望だった公園の建設を成し遂げ、園内のブランコに座り揺られながら息を引き取る。