NHKは12日、20年に向けて頑張る人を応援する「<NHK>2020応援ソング プロジェクト」が東京2020公認プログラムとして認証されたとし、シンガー・ソングライター米津玄師(27)が手がける楽曲「パプリカ」を活用すると発表した。同曲を小学生5人のユニット「Foorin」が歌う。東京オリンピック(五輪)公式ソングではなく、NHKの番組やイベントで活用されるものだが、米津とNHKがタッグを組み東京五輪への機運を高める。

 「東京2020公認プログラム<NHK>2020応援ソング プロジェクト」は、NHKが東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の参画プログラムに申請し、認証を受けたNHK独自の事業。2020年に向けて頑張っている人を応援するプロジェクトだ。その一環としてNHKは、米津に白羽の矢を立て、米津の楽曲で20年に向けて機運を高めていくという。

 NHKは米津を起用した理由を「今年、発表した楽曲『Lemon』など、いろんな楽曲が若い世代に人気があると認識を持っている。子供たちをはじめ、若い世代に聴いてもらえる方がいいと思った」と説明。「あくまでも五輪の公式ソングや応援ソングではなく、NHKのプロジェクトのために作られた曲」とし「NHKの五輪のテーマ曲でもない」と説明した。

 米津は「子供のころを思い返すことが、最近の音楽活動において、重要なテーマになっていたところに、ダイレクトに子供へ向けた音楽を作ることになりました。子供たちが素直に楽しめるものを作るためには、子供の目線で生活を省みつつ、まず子供をなめないところから始めるべきだと思いました。この曲を聴いた子供たちが、小さな世界を元気に生きていくための糧になりますように」とコメントした。

 米津は作詞、作曲のほかプロデュースも担当する。楽曲は制作中だが、タイトルは「パプリカ」。歌うのはオーディションで約100人の応募者からNHKと米津が選んだ男子2人と女子3人による5人組小学生ユニットFoorin(フーリン)。歌って踊る5人の姿を風鈴にたとえて米津が命名したという。8、9月に「みんなのうた」に放送され、NHKのイベントなどでも流れる。NHKは「歌って踊って子供たちが元気になれる曲」と説明した。米津の関係者も「子供たちが喜んでくれて、大人もノスタルジーに浸ってくれるような曲に取り組んでいる」と説明した。

 米津の関係者によると、CDの発売時期は調整中。営利目的ではなくチャリティーとし、収益や米津の印税も日本スポーツ振興センター内のスポーツ振興基金に寄付するという。

 ◆東京2020参画プログラム 東京五輪・パラリンピックに向け、多くの人が何らかの形で参画してもらうことで、あらゆる分野で未来と地域・全国につながる社会を目指すプロジェクト。「スポーツによる健康の増進」「復興」「世界へ向けての日本の魅力の発信」など、8つのテーマがある。企業や学校が、障がい者スポーツの体験教室を開いたり、未来のビジネスを考えるフォーラムを開くなどして、2020を盛り上げていくことを狙いとしている。現在約3648万人が参加している。

 ◆Foorin NHKのプロジェクトで、6歳から18歳までが応募したオーディションで選ばれた小学生の5人組ユニット。メインボーカルは、ひゅうが(11)と、もえの(10)の2人が務め、コーラスとダンスを、たける(12)りりこ(9)ちせ(8)の3人が担当。