第61回日本レコード大賞の発表会が12月30日に行われ、5人組小中学生ユニットFoorin(フーリン)が「パプリカ」で初受賞した。乃木坂46は女性グループ初となる大賞3連覇を逃したが、同時に、2020年さらに坂を駆け上がるための新たな目標が浮かび上がった。

11年8月に結成した乃木坂46は、17年に「インフルエンサー」でレコード大賞を初受賞。18年には「シンクロニシティ」で2連覇を達成した。人気はトップレベルで、NHK紅白歌合戦に5年連続で出場するなど、日本を代表するアイドルグループとして活躍を続けている。

音楽関係者によれば、CDの売り上げなどでより上回る乃木坂46の「Sing Out!」やAKB48の「サステナブル」を大賞に推す声もあったという。実際、乃木坂46の「Sing Out!」では、センター齋藤飛鳥(21)を中心にしなやかなダンスを披露し、会場の観客含めて全員で手をたたく演出などで、大きな存在感を示した。

ただ、覚えやすいダンスとかわいらしいダンスが受けた「パプリカ」は、小学校での発表会や、運動会で必ずといっていいほど流れ、老若男女に愛された。高い認知度もあり、大賞に決まった。

乃木坂46には、15年の紅白初出場時に歌った「君の名は希望」をはじめ、印象的な楽曲が多数ある。ただ、以前からメンバーたちは「国民全員が歌えるようなヒット曲を出したい」と話していた。トップアイドルとなったグループにとって、最大にして究極のテーマと言ってもいいだろう。

関係者によると、大賞を逃した悔しい気持ちはもちろんあるものの、ある乃木坂46メンバーは今回のレコード大賞の結果を前向きにとらえ、「来年、もっともっと頑張ろうと思えました」と話していたという。

14年に紅白初出場を逃した後も、翌15年に文句なしの活躍を見せて、満場一致で紅白初出場を果たした。「あの時1度出られなかったことで、グループが団結して、もっと成長できたと思う」と話すメンバーもいる。

当時と状況は違うが、レコード大賞についても同じことが言えるのかもしれない。2020年、文句なしのヒット曲を出して、再びレコード大賞に返り咲く-。上り坂の先にある景色は明確だ。