ホタテガイの産地である青森県むつ市の「ふるさと納税」返礼品に23日、「ホタテ水着 上下セット」が登録され、「ホタテ水着」がトレンドワード入りするなどSNS上で大きな話題になっている。

ホタテの貝殻3枚をヒモで結んだビキニスタイル。タレント武田久美子(53)が89年の写真集「My Dear Stephinie」で披露し一世を風靡(ふうび)したホタテビキニを思わせるデザインで、男女兼用という。

紹介ページでは「大きすぎず小さすぎず、ちょうどいい貝殻12センチ程度のホタテ貝を使用しておりますので、あらゆるシーンでお使いいただけると思います」と独特な商品説明が紹介されている。

奇抜な返礼品登録の背景には、8月に同市を襲った大雨被害があるという。製造元、阿部商店の阿部学さん(49)は「うちの地区も含め、下北が大きな被害を受けた。復興のため、何かインパクトのある商品を間口にして、むつ市の豊かな特産品のPRにつながればと思い、市と相談した」と話す。

ホタテ水着自体は11年から登場している。東日本大震災で漁業と観光業が大きな打撃を受けたことがきっかけだった。阿部さんは「当時、ドライブインで働いていたのですが、ホタテ料理の後に貝殻が余り気味になり、ホタテ水着を作ってしまいました」。

武田久美子の写真集のピーク世代ではないというが、「有名なので何となく脳裏にあり、影響は受けたと思う」とにこやかに話す。11年以来、毎年100着程度売れており、昨年は数百セット売れた。「最初は売れるとは思っていなかった」とし「理由は分かりませんが、4年周期でバズる。去年がバズり年でした」と不思議がる。

ホタテ水着は、貝殻の研磨からヒモ通しまで、妻と2人で手作りしているという。同社の主力商品はホタテや生ウニだが、「ホタテ水着も主力商品になりつつある。妻と夜なべして作りたい」とユーモアをもって語っている。

返礼品登録でさっそく大きな反響があり、SNSには「笑った」「どんなネタだよ」「あらゆるシーンって何?」「着こなせるかな」など多くのツッコミが寄せられている。「後ろからの見え方が気になる」というツイートも多いが、阿部さんは「基本的に、本物のビキニ水着の上から着用することを想定して作ったので、直接着ることはイメージしておらず…」と話している。