TBS系情報番組「情報7daysニュースキャスター」が9日、生放送され、三谷幸喜氏(61)が出演した。

番組では8日に安倍晋三元首相が奈良市内で演説中に銃撃され、死去した事件を取り上げた。三谷氏は「まだ背景がよく分からないのでなんとも言えないですけど」と前置きした上で、イギリスの政治家・ディズレーリの言葉を引用し「『暗殺で歴史は絶対に変わらない』という言葉があった。それが日本に当てはまるかどうか分からないけれど、1つ真理だなという気がする」と話した。

歴史ドラマの脚本を執筆する中で感じたこととして「歴史は1人の人間の思いで動くものではなく、みんなのいろんな思惑や歴史そのもののうねりがあって、時代は先に進んでいく。1人の人をあやめたことで何が変わるのかというと、多分何も変わらないことの方が多い。そう思うと、この暗殺という手段がどれだけばかげているかと改めて感じる」と神妙に語った。

安倍氏とは1度対談したことがあるといい「映画の試写会に来てくださって、その後対談したんです。総理大臣が主人公の映画(『記憶にございません!』)だったので、ちゃかしている部分もあった。怒ってませんか? って聞いたら『いやいや、怒ってませんよ』。ちょっとむっとしたんじゃないですか? って聞いたら『いやいや、むっとはしてないですよ』」。そのようなやりとりを繰り返したが「『ただ1カ所気になるところがあった』とおっしゃって、どこですか? と聞いたら『言えません』と、教えてくれなかった」と振り返った。

安倍氏の人柄を「ちゃめっ気というか、その場を面白くしないといけないという気持ちを持っていらっしゃる方」としのびつつ、「政治家としてこれだけ長くやっていらしたから功罪はあってもしょうがないと思うんですけど、人として見た時に熱いものを持ってらっしゃるし、ちゃめっ気もある。自分の言葉でいつも語る方なんだなと思いました」と語った。

安倍氏の事件を伝えるため、この日は通常の午後10時のスタートを1時間前倒しし、同9時から拡大版での放送となった。