元NMB48で女優や声優として活躍する三田麻央(27)の主演舞台「INDESINENCE Case:Beautiful Vermilion Ways」(2月26日まで、東京・新宿村LIVE)が22日に初日を迎える。このほど三田が取材に応じ、作品の見どころや、グループ卒業後の活動について語った。

物語の設定は1970年代。依頼を受けて仕返し行為を行う集団“タリオ”のメンバー、南上宮陽子役を演じ、仲間と共に父に借金を負わせた詐欺師たちと戦うストーリーだ。護身術に秀でた役でもあり、初の武術にも挑戦。「約2時間におさまるのかって思うぐらいの情報量ですし、話も複雑です。周りの方は演技のうまい方ばかりで、支えられています。舞台ならではのみせ方もありますし、私のパンチがダサくないか見ていてください」と笑った。

舞台主演は2度目。1月からは3カ月連続で別作品の出演が続いており、今作の稽古には途中から合流した。「ベテランの方々が優しい雰囲気の現場にしてくれています」と共演者らのサポートに感謝。稽古では毎回せんべいを差し入れるなど“座長”としての振る舞いもみせる。「物語の内容は重ためですが、カットがかかれば気軽に話をして語り合ったり。殺陣のシーンでもいろいろとアドバイスをくれて、本当に実になる現場になっています」と充実感もにじませた。

NMB48卒業から4年が過ぎたが「あっという間でした。いろんなことをしすぎて思い出せない」と振り返る。声優業を目指して巣立ったが、舞台出演を繰り返すうちに、表に立って演じる楽しさも感じるように。漫画やアニメが大好きな“サブカル女子”な一面もあり、21年にはライトノベル「夢にみるのは、きみの夢」で小説家デビューも果たした。

「もともとライブがすごく好きでしたし、お芝居も性分に合っていたみたいです。生のものを届けて、反応を見ることが楽しい。あらためて何か自分がつくったものを見てもらうことが好きなんだなと思いました。今は何でも屋ですね(笑い)」。

演技には「毎日買う」という漫画の存在も欠かせない。過去に読んだ作品から役柄に似たキャラクターを探して読み返すこともある。「いろんな漫画を読み込んでいると世界が広がりますし、創作のきっかけにもなる。いろんなことに影響を受けていますね」。台本を読みながら役を自身にすり込んでいく「没入タイプ」でもあり「自分のイメージを稽古で脚本家さんとすり合わせながらやっています。かっこよく言うと憑依(ひょうい)型なのかな」と笑顔をみせた。

日常の支えとなっているのはNMB48時代の仲間だ。先輩の山本彩(29)や同期の古賀成美(24)と仲が良く、今では「親友」と語る間柄。普段からそれぞれの自宅を行き来し、毎日ささいなやりとりを繰り返している。

「たまに昔の映像を見返していると、(山本のことを)彩さんって呼んでいて。その頃から先輩、後輩みたいなのはあんまりなかったですけど、『そういう時期もあったよね~(笑い)』みたいな。今は彩氏って呼んでいます。みんなオタクなので。忙しそうですが、今回の舞台も『見に来て!』とは伝えています」。

絵も得意で、今後は2作目の小説執筆にも意欲をみせる。卒業後はNMB48時代を知らないファンも増えたといい「まだ新規開拓していいんだと思いました。これまでのファンの方も飽きさせないように頑張って、みなさんに『三田、まだやってんじゃん』って思ってもらえるように。これからも自分の『好き』を周囲に広められるようなお仕事をしていきたいです」と意気込んだ。【松尾幸之介】

◆三田麻央(みた・まお) 1995年(平7)9月9日、大阪府出身。11年5月、NMB48に2期生として加入。同6月に研究生としてお披露目された。同12月にはAKB48がテーマのアニメ「AKB0048」のオーディションで合格し、9人の主演声優の1人に抜てき。声優選抜ユニット「NO NAME」としての活動、CDデビューも経験。12年1月、正規メンバーに昇格し、チームMに所属。19年2月に卒業。以降は声優や女優として舞台などで活躍中。身長160・5センチ。血液型A。